ダイレクトアジェンダ2025 #07
「ダイレクトアジェンダ2025」が長崎で開幕、顧客の心が動いた瞬間「Aha! moment」に迫る
2025/03/19
DHC、ユナイテッドアローズ、江崎グリコが登壇
直販・通販事業に携わるトップマーケターが集結するカンファレンス「ダイレクトアジェンダ2025(主催:ナノベーション)」が3月18日、長崎県長崎市(出島メッセ長崎)で開幕し、会場は熱狂に包まれた。今年のテーマは「Aha! moment ~顧客の心が動いた瞬間~」になる。
初日のキーノートでは、ダイレクトアジェンダ独自の企画で毎年高く評価されている企画「ダイレクトマーケティングの現在と未来。今後3年間で起こるイノベーションは何か?」と題し、ディーエイチシー 執行役員CMO マーケティング統括の櫻井容子氏、ユナイテッドアローズ OMO本部 本部長の岩井一紘氏、江崎グリコ デジタル推進部長の武子弘司氏がスピーカーとして登壇し、シンクロ 代表取締役社長の西井敏恭氏がモデレーターを務めた。
セッションでは、SEOやSNS広告、動画・記事広告、オフライン広告、インフルエンサー活用、MAツール、アプリ、生成AIなど、各社の多様なマーケティング施策を比較分析し、顧客体験の進化について掘り下げた。また、「Aha! moment」に関する具体的な取り組みも紹介された。ディーエイチシーはリブランディングの一環として、企業パーパスへの共感を軸に顧客体験を設計し、ブランドとのつながりを強化。ユナイテッドアローズでは、店舗スタッフを含めた社員自身の「Aha! moment」が重要な要素であることが語られた。江崎グリコは、顧客データの活用を通じて理解を深め、商品開発や提供に活かすことでブランド価値を向上。これらの取り組みを通じ、持続可能なビジネス成長のための示唆が議論された。

ディーエイチシーの櫻井氏
注目を集める生成AIや、V・ファーレン長崎の社長も登壇
2日目も見どころ満載のセッションが行われる。キーノート#2では、「生成AIは、ぶっちゃけどこまでダイレクトマーケに使えるのか? 理想と現実、そして未来」と題して、ベネッセコーポレーション 専務執行役員 家庭学習カンパニー長の橋本英知氏、石井食品 代表取締役社長の石井智康氏がスピーカーとして登壇し、電通デジタル 副社長執行役員 兼 dentsu Japan CXプレジデントの杉浦友彦氏がモデレーターを務める。
マーケティングにおける生成AIの活用は、最先端の話題として注目を集めているが、多くの企業では実際にどう活かせるのか。また、どのような売上や成果が期待できるのか、各社が試行錯誤の段階になる。そこで「生成AIは、ぶっちゃけどこまでダイレクトマーケに使えるのか?」をテーマに、業務効率化、クリエイティブ/コンテンツ生成、チャットAI、パーソナライズなどをはじめ、生成AIの実践的な活用と成果を上げるために必要な洞察を探る。
また、スペシャルセッションでは、長崎県のホームタウンチームとして、地域に根ざし多くの人々に愛されるV・ファーレン長崎 代表取締役社長の田河毅宜氏がスピーカーとして登壇。昨年開業した「長崎スタジアムシティ」を拠点に、従来のスポーツ観戦の枠を超えた顧客体験の創出に挑戦している。
具体的には、日本初のスタジアム上空を滑走するジップラインや、スタジアム内でのクラフトビール醸造など、ユニークな施策を展開。また、ECや会員プログラムを活用し、オンラインとオフラインを融合させたマーケティング施策にも注力している。このような取り組みにより、熱狂し続けるファン・サポーターとの絆を深めている。セッションでは、どのように「Aha! moment」を創出し、持続的なビジネス成長へとつなげているのか、モデレーターを務めるアンカー・ジャパン 代表取締役CEOの猿渡歩氏が探る。

今年の全体テーマは「Aha! moment ~顧客の心が動いた瞬間~」。CPAの高騰や、ネットを中心とするチャネル開拓に停滞感が漂い始める中、各企業にはLTVの向上に向けた顧客体験の最大化が求められている。オンライン・オフラインを融合した感動体験の創出や、UI/UXの改善、CRMを活用した新たな指標の提案を通じて、「心が動いた瞬間」をいかにビジネス成果に結びつけるか。今年のダイレクトアジェンダでは、顧客が商品やサービスに触れた瞬間に生まれる「Aha! moment」に着目し、企業と顧客の絆を深め、持続可能なビジネスの成長に繋がる方策を探る。

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