マーケティングアジェンダ2025 #13
グランプリの栄冠は電通チームに!ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2025結果発表
2025/05/27
バーガーキングの課題に、過去最多19チームが挑む
2025年5月21日から23日にかけて沖縄県読谷村(グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート)で開催された、日本最大級のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ2025(主催:ナノベーション)」。そのプログラムの一つとして、35歳以下の若手クリエイターが企画アイデアを競い合うコンペティション「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2025」が行われた。
カンファレンス最終日の23日に審査結果が発表され、グランプリには、電通 コピーライター 濱田陽平氏とコミュニケーション・プランナー 渡邊清子氏のチームが輝いた。
本コンペティションは、事前の書類審査を通過した若手クリエイターが2人でチームを組み、出題されたテーマに対してクリエイティブアイデアを競い合うものだ。
今年の課題提供企業は、日本のハンバーガー市場で急成長を遂げる「バーガーキング」を展開するビーケージャパンホールディングス。同社から提示された「WHOPPER®️(ワッパー)の『純粋想起』を強化するマーケティングキャンペーン」という課題に対し、クリエイターは限られた時間の中で企画アイデアを練り上げた。

5回目の開催となった今回の参加チーム数は、過去最多の20社19チーム。前回の12社10チームから大幅に増えた。参加チームは次の通り(※企業名のABC順)。
ADKマーケティング・ソリューションズ、エイド・ディーシーシー、チョコレイト、サイバーエージェント、ディーイー、電通デジタル、Droga5 part of Accenture Song、ENJIN、GMO NIKKO、Hakuhodo DY ONE、博報堂、博報堂プロダクツ、マジックワークス、ノースショア、オリコム、onehappy、リコー、Septeni Japan、TBWA HAKUHODO
※ディーイーとonehappy、リコーとマジックワークスは合同チーム
※Droga5 part of Accenture Songは2チーム参加
審査員には、リクルート マーケティング室 クリエイティブディレクター/部長の萩原幸也氏(審査員長)、花王 マーケティングイノベーションセンター長 伊藤浩史氏、ダイキン工業 総務部 広告宣伝グループ長 片山義丈氏、ビザ・ワールドワイド・ジャパン マーケティング本部長 Vice President, CMO 里村明洋氏、審査アドバイザーにはカンロ 常務執行役員マーケティング本部長 内山妙子氏、dentsu Japan グロースオフィサー/エグゼクティブ・クリエイティブディレクター 澤本嘉光氏が名を連ねた。
ブランド企業のマーケターが中心となって、企画アイデアを「アイデアの強さ」「戦略性」「実現性」の3つの指標で評価し、アイデアのユニークさだけでなく「ビジネスとしての成功につながるか」を重視して審査を行った。
「音」の強さが高く評価されたグランプリ作品
厳正な審査の結果、グランプリ1作品、ゴールド2作品、シルバー2作品が選出された。グランプリに輝いた電通チームは、バーガーキングを象徴するハンバーガー・WHOPPERをある「音」に紐付けて印象づけることで、純粋想起率を高めていくアイデアを提案した。
ゴールドには、ディーイー プランナー/コピーライター 松木 啓氏、onehappy グラフィックデザイナー 竹内 駿氏の合同チームと、Droga5 part of Accenture Song クリエイティブプランナー/コピーライター 村上リ子氏、クリエイティブプランナー 本田里夏氏のチームが選ばれた。
シルバーには、TBWA HAKUHODO コピーライター 山口泰尚氏、アートディレクター
宮崎琢也氏のチームと、博報堂 ストラテジックディレクター 吉岡千滉氏、アートディレクター/デザイナー 梶川裕太郎氏のチームが選ばれた。
特にグランプリとゴールドに選出された3作品は評価が拮抗し、審査は難航を極めた。ビーケージャパンホールディングス・野村氏も思わず膝を打ったグランプリ作品は、今後、実際のキャンペーンとして実現していく方針だ。
過去最高にハイレベルなコンペティションに。
審査員が「過去最高レベルだった」と口を揃えた今回の総括として、審査アドバイザーを務めた電通の澤本氏は「参加19チームの作品はすべて素晴らしく、最近参加した審査会の中でダントツで面白かったです。ここに審査中に書いたメモがあるのですが、本当は全チームに対してコメントしたいくらいです。グランプリ受賞作品の良かったところは、音声を効果的に使ったところと、誰もが企画に参加でき、拡散性があるところ。僕もクリエイティブディレクターとして日々アイデアを考えていますが、正直『負けた!』と思いましたね」とコメントした。
また、昨年に続き審査員長を務めたリクルートの萩原氏は「19チームの皆さん、本当にお疲れ様でした。今日、一旦勝ちと負けが分かれましたが、ネルソン・マンデラの『(勝つか負けるかではなく)勝つか学ぶかだ』という言葉があるように、負けた方にも学びがあったと思います。これを糧に、ぜひ来年もチャレンジしていただきたいと思います。上位チームは、重視する評価基準が少し変われば順位が異なったのではないかと思います。それだけ拮抗していました。グランプリの企画案は、実現することを野村さんがすでに決めていらっしゃると聞いています。審査会や結果発表でのプレゼンテーションを見ていて、僕ら審査員は途中で泣きそうになりました。5年間やってきましたが、本当に良い賞になったなと感じています」とコメントした。
ヤング・クリエイティブ・アジェンダは、世界最高峰の国際広告賞である「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(通称:カンヌライオンズ)」内の「ヤングライオンズコンペティション(通称:ヤングカンヌ)」からインスピレーションを受けたプログラム。普段あまり出会うことのないクリエイターとマーケターが出会う場をつくることを、開催目的の一つとしている。
参加クリエイターは、限られた時間の中で集中して企画に取り組みながらも、マーケティングアジェンダ1日目・2日目の夕刻に行われたネットワーキングパーティーや、クリエイターと審査員の懇親会「クリエイターズ・ナイト」などに積極的に参加してマーケターとの交流を深めた。
本プログラムは、課題発表から、受賞候補チームによるプレゼンテーション、結果発表に至るまでの過程を見守ったマーケティングアジェンダの参加者からも高く評価され、今後ますます注目度が高まっていくことが期待される。
ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2025 受賞チーム一覧
【グランプリ】
株式会社 電通チーム
◎コピーライター 濱田陽平氏
◎コミュニケーション・プランナー 渡邊清子氏
【ゴールド】
株式会社ディーイー、株式会社onehappyチーム
◎プランナー/コピーライター 松木 啓氏
◎グラフィックデザイナー 竹内 駿氏
Droga5 part of Accenture Songチーム
◎クリエイティブプランナー/コピーライター 村上リ子氏
◎クリエイティブプランナー 本田里夏氏
【シルバー】
株式会社TBWA HAKUHODOチーム
◎コピーライター 山口泰尚氏
◎アートディレクター 宮崎琢也氏
株式会社 博報堂チーム
◎ストラテジックディレクター 吉岡千滉氏
◎アートディレクター/デザイナー 梶川裕太郎氏