TRIAL、スギ薬局、イオンリテール、イトーヨーカ堂、サントリーほか 小売ビジネス・マーケティングの最新潮流に触れる2日間 ーリテールアジェンダ2025【参加企業募集中】

全体テーマは「The New Profit Engine Powered by Data & AI」ー利益を生み出す仕組みの再設計
国内外のリテールのマーケターとメーカーのマーケター、そしてパートナーが一堂に会するカンファレンス「リテールアジェンダ2025(ナノベーション主催)」が9月11・12日に東京都渋谷区のEBiS303で開催される。
リテールアジェンダは、国内外のリテールとメーカーのマーケティング領域の責任者をつなぐネットワーキングの場をつくることを目的としている。消費者まで一気通貫のマーケティングの実現を目指して、体験価値の向上や組織体制、データ連携、テクノロジー活用、最新の海外事例など、さまざまなテーマについて議論。次の時代のリテールとメーカーが共に成長していく戦略や取り組むべき施策を共有する。
原材料費や人件費の高騰が続く中、多くの小売業やメーカーがコスト上昇分を価格に転嫁できず、収益確保の難しさに直面している。こうした厳しい環境下で求められるのは、商品を「一度売って終わり」にするのではなく、顧客と継続的な関係性を築き、長期的な利益につなげていく視点だ。さらに、限られた人材や予算で成果を最大化するには、AIやデータを活用して「業務効率の向上」と「顧客体験の最適化」を両立することが鍵となる。
そこで今回は、これからのリテールビジネスにおける「利益を生み出す仕組みの再設計」について、具体的なアプローチと実践事例を交えながら探っていく。
キーノートおよびスペシャルセッションに登壇するのは、厳しい環境の中、リテールマーケティングの最前線で挑戦を重ねる13人のプロフェッショナル。ここからは、各セッションのテーマとスピーカー・モデレーターを紹介する。
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キーノート#1 スギ薬局が登壇 サントリーと語るAI×データ活用の最前線と「選ばれる店舗」のつくり方
初日のキーノートに登壇するのは、全国2,000店舗以上を展開、売上高8,000億円以上でドラッグストア業界第4位にランクインするスギホールディングスから、執行役員 DX・SCM・コーポレートブランディング担当の森永和也氏。講演テーマは「選ばれる店舗をどうつくる?──AI時代を見越したデータ活用による体験設計と利益創出」。
店舗は、「モノを売る場」はもちろん、「顧客との関係性を深める場」へと進化している。アプリ、EC、サイネージ、SNSなど、あらゆる顧客接点が「リテールメディア化」し、購買の前後を含めた体験全体の設計が求められる時代になっている。
さらに今後は、AI時代を見据えたデータ活用が不可欠となり、顧客の期待や行動を的確にとらえることで、利益につながる体験の最適化と業務の効率化が重要になっていく。そうした変化を踏まえ、リテールとメーカー、現場と本社が連携して、どのように価値を生み出し、選ばれる店舗・ブランドを実現していくには?
スギホールディングスは、地域のヘルスケアのインフラを目指し、リアル店舗の利便性と安心感を維持しつつ、デジタル領域への大胆な投資も進めている。スギ薬局アプリは、内製化したことで進化を続け、1,380万ダウンロードに到達している。店舗とデジタルの高度な融合を実現し、事業成長を加速させる戦略、またそれを実現するための道筋を、サントリー 広域営業本部 第2支社長の中村直人氏が深堀りする。

執行役員 DX・SCM・コーポレートブランディング担当
森永 和也 氏
2020年6月 ㈱スギ薬局 入社
2020年9月 ㈱スギ薬局 社長室 室長
2021年3月 ㈱スギ薬局 取締役 DX戦略本部 副本部長
2022年3月 ㈱スギ薬局 取締役 DX戦略本部 本部長
2024年3月 当社執行役員 DX・コーポレートブランディング担当
2025年3月 当社執行役員 DX・SCM・コーポレートブランディング担当 現在に至る

広域営業本部 第2支社長
中村 直人 氏
1992年入社、2011年営業推進本部、2020年広域営業本部第2支社長、2023年データ戦略部部長兼務。
スペシャルセッション#1 平和堂とパルから、競争優位を築くデータ・AI活用を学ぶ
1日目のスペシャルセッションには、平和堂 クロステック企画部長の 宮領康博氏と、パル 取締役 専務執行役員の堀田 覚氏が登壇し、「データとAI活用で勝ち抜く、リテールビジネス成長の条件」をテーマに講演を行う。
急速に変化する消費行動や人手不足、コスト高騰など、リテール業界はかつてない変化にさらされている。今、競争を勝ち抜き持続的に成長するためには、データとAIを駆使した取り組みが不可欠だ。本セッションでは、国内の先進事例を交えながら、データとAIをマーケティングや現場にどう活かし、売上・利益を最大化していくか、競争優位を築くための条件について考える。
滋賀県を中心に近畿・北陸・東海地方でスーパーマーケットなどを展開する平和堂は、顧客の消費行動データを捉え、顧客ごとのニーズに合わせた店頭での提案を積極的に進めている。他にも、AI需要予測発注システム、新POSレジ導入など、さまざまなDXを推し進めている。
「スリーコインズ」など約60のブランドを抱えるパルは、衣料事業におけるEC化率が40%に達し、売上・時価総額ともに大幅に成長している。その躍進の背景には、ECと店舗のデータを統合するOMO戦略や、スタッフのInstagram投稿を分析・学習した「AIスタッフ」による接客など、データやテクノロジーの積極的な活用がある。
扱う商材もビジネスモデルも異なる両社だが、人材育成や組織文化の変革、外部パートナーとの連携体制の構築など、データ・AI活用を推進するための環境整備を重視してきた点で共通している。店舗のICT活用研究所/小売DX合同会社の郡司 昇氏が聞き手を務め、両社の取り組みの成功のカギや、データ・AI活用を進めていく上での難所について深掘りする。

クロステック企画部長
宮領 康博 氏
株式会社ジェーシービーにて、国内初のミニマムペイメントカード(リボ払い)やデジタルマーケティングなど革新的なビジネスを確立。SBIグループにて、クレジットカード会社、クレジットプロセッシング会社の設立、住信SBIネット銀行において大型提携やM&Aを手掛ける。江崎グリコ株式会社では、システム子会社代表として、国内外のプラットフォーマーとAI等デジタルによるビジネス活用、国内外スタートアップとの協業等を実践する。
株式会社平和堂にて、デジタルによる既存の営業変革を目的にクロステック企画部を新設。顧客の決済データとデジタルにより消費購買傾向を捉え、ライフスタイル創造提案を目的に、クレジットカード事業やアプリのリニューアル、顧客のインサイトを捉えるリテールメディアなど新たなビジネスモデル立上げに挑戦している。

取締役 専務執行役員
堀田 覚 氏
大学卒業後、大手アパレル企業に入社、婦人服の営業にはじまりVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)やMD、ブランド責任者を経験。 2009年 ハースト婦人画報社に入社。メディアコマースサイト「ELLE SHOP」の立ち上げとMDとマーケティング責任者として事業の成長に注力。2014年 パルに入社。現在は、EC、WEBシステム、プロモーション、SNS、CRM、DBマネジメントなどを管掌。

代表/代表社員
郡司 昇 氏
1999年株式会社ランド設立。セイジョー(現ココカラファイン)とFC契約。 2007年セイジョー入社。調剤事業部課長→営業管理課長兼ココカラファインHD調剤担当で業務効率化・コスト削減・アライアンス等担当。2013年株式会社ココカラファインOEC社長就任。2016年株式会社ココカラファイン統合マーケティング部長兼任。 2018年4月~現職。ITベンダーの持つ最新技術をどのように小売業で価値を持たせていくかをベンダー、小売業双方の三方良しを実現する手助けをしています。
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スペシャルセッション#2 イオンリテールのリテールメディア戦略に迫る
東北を除く本州と四国を中心にGMS事業を展開し、「イオン」や「イオンスタイル」を運営するイオンリテール。同社では、会員1,300万人の「イオンお買い物アプリ」を起点に「店頭購買データ」や「アプリ内行動データ」など顧客に関するデータを統合し、行動・思考の傾向やニーズを深く理解した上でリテールメディアの効果的な活用につなげている。本セッションには、同社デジタル企画部長の田中香織氏が登壇し、リテールメディア活用の最新動向や成功のポイントを明かす。

営業企画本部デジタル企画部 部長
田中 香織 氏
入社後、新規事業のマーケティング・プロモーションを担当。ラグジュアリーブランド化粧品専門会社の立ち上げにおける、マーケティングの責任者として、コーポレートブランドのコンセプト設計から店頭マーケティング・プロモーションまでを実施。その後大手通信会社との共同事業である「クーポンのデジタルマーケティング事業」に参画。イオンリテール帰任後、マスマーケティングからデジタルマーケティングを一気通貫で行うデジタル組織の発足をマネージャーとして担う。以降スマートフォンアプリの「イオンお買物アプリ」の開発・運用・リテールメディアの立ち上げをマネージャーとして行い、今に至る。