ダイレクトアジェンダ特別企画 #03
D2Cの本質が見えてきた。「バルクオム」の製品戦略と広告プロモーション【オイシックス・ラ・大地 西井敏恭】
2018/11/12
- SNS,
- ヒット商品,
- ダイレクトマーケティング,
- 化粧品・日用品,
1月29日から大分・別府で開催されるダイレクトマーケティングの可能性を探るカンファレンス「ダイレクトアジェンダ」。そのキーノートのモデレーターを務めるオイシックス・ラ・大地 CMTの西井敏恭氏が、登壇者に事前にインタビューを実施。
第1弾として、メンズスキンケアブランドとして急成長するバルクオム 代表取締役CEOの野口卓也氏が登場。攻略が難しいとされる市場で、売上を伸ばしている理由について聞いた(前編はこちら)。
第1弾として、メンズスキンケアブランドとして急成長するバルクオム 代表取締役CEOの野口卓也氏が登場。攻略が難しいとされる市場で、売上を伸ばしている理由について聞いた(前編はこちら)。
製品にこだわるから、容器はチープに
西井 野口さんは事業を立ち上げてから初めて化粧品業界に踏み込まれたわけですが、知識がないところから、どのように商品開発されていったのですか。野口 製品開発で大事にしているのは、自分の感覚に頼らないということです。最初は、市販されている上位5ブランドのブラインドテストを行い、最も好感度が高い商品を参考に開発しました。今でもよくソーシャルメディアでエゴサーチしますが、品質で悪いことを書かれることは、ほとんどないですね。
西井 パッケージについてはいかがですか。私は振り切ったデザインが好きです。
野口 ありがとうございます。現在のパッケージデザインは3代目になります。デザインには古く感じる瞬間が必ず生まれるので、今後もマイナーチェンジはしていきたいと考えています。ただ、唯一クレームをいただくのが、このパッケージの使い勝手なんです。
西井 たしかに、適量を手に出しづらいところがありますよね。
野口 はい。これは、この容器は最も安い部類に入るんです。バルクオムの「バルク」は化粧品の中身のことを指します。その中身に“命を掛けている”から、容器はチープでもいいというのが、バルクオムの“ロック魂”というかアイデンティティなのです。なので、ボトルを変えると値段が上がってしまうことは、SNSでもアピールしています。
西井 バルクオムは、そういう意味だったんですね。やはり、商品が大事ですね。
西井 敏恭氏
オイシックス・ラ・大地 CMT シンクロ代表取締役・オイシックス執行役員。1975年5月福井県生まれ。2年半にわたる世界一周の旅行記を更新したWebサイトが大人気となり、帰国後はEC企業にてWebマーケティングに取り組む傍ら、旅行を続け、訪問した国は100カ国近く。Webマーケティングのプロとして「ad:tech」をはじめ全国で講演多数。
オイシックス・ラ・大地 CMT シンクロ代表取締役・オイシックス執行役員。1975年5月福井県生まれ。2年半にわたる世界一周の旅行記を更新したWebサイトが大人気となり、帰国後はEC企業にてWebマーケティングに取り組む傍ら、旅行を続け、訪問した国は100カ国近く。Webマーケティングのプロとして「ad:tech」をはじめ全国で講演多数。
野口 はい。私の持論ですが、初回購入は「広告とランディングページ」がすべて、そしてリピート購入は「品質」がすべてだと考えています。そういった観点で、製品設計では効果はもちろん、使用感も追求しています。特に男性は、一度気に入るとブランドスイッチしづらいので「LTV(生涯顧客価値)」が高い傾向があります。