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ダイレクトアジェンダ特別企画 #06

デジタルマーケターは、積極的に“領海侵犯”すべき?【中川政七商店 緒方恵、ディノス・セシール 石川森生、DoCLASSE 藤原尚也 座談会】

ダイレクト担当でも、Webだけに閉じてはいけない

藤原 現代のダイレクトマーケティングは、店舗、デジタル、テレビ、ラジオ、雑誌と、あらゆる顧客接点を組み合わせ、顧客体験全体を設計することが不可欠です。僕の主要なミッションはECの売上達成ですが、もはやWebだけ見ていればいいわけではありません。

 店舗集客促進、カタログ売上増においてWebは重要な役割を果たしますし、Webを機能させるにはテレビCMをはじめとするマス広告などを駆使した送客が欠かせません。そこでは、これまでのキャリアでマス/デジタル/リアルを問わずさまざまな施策を担ってきた経験が大いに生きています。

石川 僕も所属は経営企画本部ながら、担当領域としてはECとマーケティングと経営企画を兼務しています。CECOとしてさまざまなプロジェクトに携わってきましたが、その内容はいわゆる“デジタル文脈”ではないことの方が大多数。「顧客とのダイレクトなコミュニケーション」にかかわることは、ある意味何でもやってきたように思います(笑)。

緒方 必要に駆られて、そうなる感じですよね。「お客さまへの価値提供」という観点からすると、WebやECに閉じているわけにいきません。

 僕もWeb・EC領域を統括するCDOとして中川政七商店に入社しましたが、現在はコミュニケーション本部本部長として、店舗/EC/卸売と、あらゆる顧客接点を見る立場になりました。オムニチャネルの重要性は、実は入社当時から社内で言い続けてきたのですが、ようやく本腰を入れて取り組める段階に入ったと言えます。
 
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デジタル人材は積極的に“領海侵犯”すべき?

緒方 オムニチャネル化を進めるためのシステム構築・改修も重要ですが、僕はそれと同様、社内のマインドセットの統一が重要だと考えています。実際、入社後1年間は、そのために相当の労力とコストをかけました。

 例えば、店舗における接客の基準として「接心好感」(編集部注:「お客さまの心に接し、好感を得る」ということを第一義とする、ただ商品を売るためだけでない、中川政七商店の接客に対する考え方を示す言葉)という言葉を掲げました。ただ「接客を頑張りましょう」と言っても、頑張り方は人それぞれ。売上を上げようと頑張る人もいるし、工芸の魅力を伝えようと熱心な人もいます。接客の基準をつくり、それを言葉にすることで、中川政七商店としてふさわしい体験をお客さまに提供できるようになり、それが間接的に売上増にもつながっていくのです。  

 デジタル人材がそこまでするの?と思われるかもしれませんが、僕のモチベーションの源は、中川政七商店という企業・ブランドのビジョンへの共感に尽きます。当社の最大の魅力は「良い商品」。デザインポリシーも明確に規定され、ブランディングについて僕が口を出す余地などないほど完成されています。つまり、少し「売れやすく」するだけで、数字は自然と伸びていくのです。奇をてらった施策を打たなくとも、CRMをきちんとやれば売上は無理なく増やせると、入社して1週間で確信したくらいです。

 企業・ブランドの価値最大化のためなら、積極的に“領域侵犯”する。でも、中川政七商店の価値を最大化することに強い使命感を感じているから、やる。失敗するまで、へこたれるまでやろうと思っています。
 

――ダイレクト領域を起点に成果を出しながら、より広いコミュニケーション分野を担当されるようになったのですね。藤原さんと石川さんも入社当社はデジタル領域に軸を置きながら、現在は経営やコミュニケーション全体に関わっています。デジタルのスキルや経験があることは、どのようなアドバンテージになっていると感じますか。


藤原 お客さまについて「数字」で認識・判断できるのは強みかもしれません。こういう施策を行ったら、お客さまはこう動く。こういう施策って、お客さまには意外とウケない。お客さまが本当に求めていることは何か、他の人よりもよく知っているという自負はあります。

石川 それに加えて、打席に立つ回数は他のマーケターと変わらないけれど、施策とそれによる直接効果を分析する精度がデジタルは高いという点があるかもしれませんね。

藤原 この20年ほどで、消費者を取り巻く環境は一気にデジタル化されました。電車に乗って周りも見渡しても、新聞を広げて読んでいる人は、なかなか見当たりません。人々の情報接触行動は、かつてのそれとは全く異なるものになっています。こうした中、当然のことながら企業も変わっていかなければなりませんから、デジタルの素養は必須ですよね。

 リアル店舗で売るにも、カタログで売るにも、デジタルは不可欠。カタログ会員のWeb化率を上げる、つまりカタログ部数を抑えてWebに誘導するほうが、利益率の高いビジネスになります。デジタルを絡めて発想し、実行できる人が、領域横断的にいろいろな物事を頼まれやすい時代だと思います。
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マーケターは「社員と会社、お客さまの利益」を一致させるKPIを設定すべし【中川政七商店 緒方恵、ディノス・セシール 石川森生、DoCLASSE 藤原尚也 座談会】
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