足立光の無双塾 レポート #02

大事なのは、弱者としてどう戦うか。グローバルジャイアントに挑んできたLINEの戦い方【足立光の無双塾 レポート】

 日本で最も注目を集めるマーケター 足立光さんが主宰し、仕事とプライベートで勝つための方法を伝授する会員制ビジネスサロン「足立光の無双塾」。

 第5回オフラインイベントに登場したのは、LINEの事業戦略とマーケティングを担う舛田淳さん。本サロンの会員だけが見ることができる当日の様子の一部を特別に公開します。
 

マーケティングは、事業戦略とコミュニケーションの両立

足立 まずは、簡単に舛田さんの自己紹介からお願いします。

舛田 はい。LINEでCSMO・最高戦略マーケティング責任者として事業戦略とマーケティングの両方を見ています。LINEというプラットフォームに加えて、その上にあるスタンプ、音楽、金融など、ほとんどの事業を立ち上げから担当しています。
LINE取締役 CSMO 舛田淳氏 LINE誕生から今にいたるまでLINEの全体戦略、事業開発、マーケティングをCSMOとしてリード。LINEを日本・台湾・タイで人口の2人に1人以上が利用する国民的サービスにゼロから育てあげたマーケター。日本の月間利用者7800万人(現在も成長中)はコミュニケーションサービスとしては史上最大。加えて、スタンプ、ゲーム(ツムツムなど)、マンガ、音楽、ライブ動画配信、アルバイト求人など現在のLINEの基礎となっている事業の立ち上げを始め、O2O、モバイル決済、金融、AI/スマートスピーカー事業など今後の柱になっていく新たな分野への挑戦も行っている。CMクリエイティブなども自身で担当し、最近では、ベッキー復帰CM(LINEのお年玉)、のん復帰CM(LINEモバイル)、木村拓哉デジタル解禁CM(LINEのお年玉)などが話題に。

足立 LINEはどのような考えで、マーケティングに取り組んでいるのでしょうか。
足立光(あだち・ひかる) 1968年、米国テキサス州生まれ。一橋大学商学部卒業。P&Gジャパンマーケティング部に入社し、日本人初の韓国赴任を経験。ブーズ・アレン・ハミルトン、およびローランドベルガーを経て、ドイツのヘンケルグループに属するシュワルツコフヘンケルに転身。2005年には同社社長に就任。赤字続きだった業績を急速に回復した実績が評価され、2007年よりヘンケルジャパン取締役シュワルツコフプロフェッショナル事業本部長を兼務し、2011年からはヘンケルのコスメティック事業の北東・東南アジア全体を統括。ワールド執行役員国際本部長を経て、2015年より日本マクドナルド上席執行役員マーケティング本部長。2018年9月28日よりナイアンティック アジアパシフィック プロダクトマーケティング シニアディレクター。初の著書『マクドナルド、P&G、ヘンケルで学んだ 圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術』(ダイヤモンド社)が好評発売中。

舛田 そもそもマーケティングとは、何でしょうか。コミュニケーションを設計する上で大切なのは、事業がどうあるべきかです。そこで私は、マーケティングとは事業戦略とコミュニケーションの両方であるべきだと考えています。

 LINEがスタートして7年。Google、Apple、Amazonなどグローバルジャイアントと戦い続ける運命にありました。何も持っていなかった弱者の我われが、どうやったらこれらの企業に一矢報いることができるか。

 そこで大事だったのが、「王道」と「逆張り」です。王道は教科書的な方法論で、逆張りはその正反対の方法をとることです。市場環境、フェーズ、競合、自社のアセット、ときの流れを分析して、教科書的な進め方をしたほうがいいケースと、反対方向に振り切ったほうがいいケースがあります。



足立 LINEも、その二つの戦略をとってきたわけですね。

舛田 そうです。特に逆張りは、弱者の戦い方として大事です。王道は、みんながやっているパワーゲームで、リソースの強い企業が勝ってしまいます。

 市場は、常に変化しています。そして、その変化は、チャンスでしかない。ビクともしないトッププレイヤーが何か一手打ってきても諦めるのではなく、そこで生まれた市場の揺らぎを見つけようとするのです。

 今はVR、AIなど、テクノロジーが進化しています。すると大手が動き出して社会全体が動くので、自分たちもルールを変えられる可能性が生まれます。自分がいる市場にグローバルジャイアントが進出してきても、心を折ってはいけないんです。むしろ、自分にとって有利だ、と考えられるかどうかが大事です。

 あとは、正解かわからないので、まずはやってみようと行動する。四方八方から攻めてみたけど鉄壁だった、でもちょっとだけ揺らいだ。そこに会社と自分のアセットを全部かけて突っ込む、それが弱者の戦い方です。


 

エモーショナルなLINEは本音を交わす場

足立 LINEの誕生も、逆張りだったのですか。

舛田 そうです。LINEが生まれたきっかけは、2011年の3.11、つまり東日本大震災でした。メールも通じない、電話もかからないなど、コミュニケーションが断絶する状況を目の当たりにしたのです。ここでスイッチが入り、LINEは開発から1.5ヶ月でリリースしました。



 これも、逆張りでした。もともとインターネットの魅力は、地球の裏側の人ともつながることができる、オープンでパブリックな場であることでした。まさに、FacebookやTwitterです。しかし、震災が起こったとき、活性化する必要があったのは、実際に知っている人同士のコミュニケーション。だからこそ、クローズドでプライベートなLINEをつくろうと判断したのです。

足立 LINEがこれだけ一気に広まった鍵は、何でしたか。


 続きは、「足立光の無双塾」会員の方だけがご覧になれます(記事の続きのほか、動画も閲覧可能です)。お申し込みは、こちらから。
 
「足立光の無双塾」スタンダード会員ができること
  •  定例イベントのトークショー動画閲覧
     ※トークショー内の一部コンテンツ(60~90分)を楽しむことができます
     ※動画はFacebookのグループ上でLIVE配信されるほか、動画閲覧専用サイトで過去動画も閲覧できます
  •  Facebookグループ上での足立光氏との交流、投稿の閲覧<ビジネススキル、マーケティングや経営トピック(書評など)、遊びに関する情報など>。
  •  オフラインイベントに参加できるプレミアム会員に空きが出た場合、スタンダード会員から優先的に案内します
続きはこちら ※ログイン画面が表示されない方は、本ページをChromeやSafariなどのブラウザからご覧ください

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録