SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #08

“トレンド”という呪縛から自由になった私たちは「自分に似合うもの」に夢中になる【りょかち】

前回の記事:
若者向けに「便利で簡単」をつくり続ける人が見落としがちな1つの視点【りょかち】

トレンドアイテムを買おうという気持ちにならない私

 この冬の流行ファッションって、なんだったのだろう。「流行色は?」「次の春シーズンに流行するアイテムを知っている?」

 これらの質問にサクサク答えられる人は、どれくらい、いるのだろうか。正直私は、ひとつも答えられない。この冬も毎日温かいユニクロのダウンジャケットで過ごしたし、トレンドアイテムの記事を見た記憶もない。もうすぐ春だけど、トレンドアイテムを買おうという気持ちにもなっていない。

 もはやトレンドとは、ファッションに強く興味のある人だけの文化になっているのではないかと思う。自分の年齢が上がっているのも影響していると思うが、「流行っているから」という理由で服を着ている人があまり周りにいない。そもそも、トレンドに合わせて自分の服装のテイストを変えるということが、私の周りでは一般的ではなくなってしまった。



 私が高校生だった頃には、オトナも流行アイテムをファッション派閥ごとに持っていて、テレビの情報番組や雑誌ではしばしば「トレンドアイテム」の特集が組まれていたし、バラエティに出演する女性タレントはだいたい似たような格好をしていたように思うのだけれど、今は去年も今年も同じような服を着ているように思う。
 

いま一番気になるのは「流行」ではなく「自分との相性」

 それと引き換えに、みんな気にするようになっていると思うのが「自分に似合うものを身に着けているかどうか」だ。

 同じフロアに同期の女子が3人いるのだが、そのうちの一人が、「最近、自分に似合う服がわかんないんだよね~」と嘆いていた。その気持ち、私も痛いほどわかる。一度真剣に先輩の女性に相談したこともある。

 一方で、もうひとりの同期が「最近、自分に似合うものがわかってきて、買い物が楽しいんだよね」と言っていた。ファッションにおいて「自分に似合うかどうか」は、大きなトピックとして私たちの会話の中に登場しているのだ。

 そして、そんな会話が行われているのは私たちだけではないと、私は確信している。

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