行動経済学で理解するマーケティング最新事情 #13
ワクチンデマの拡散から、我われが得られる教訓
接種率が20%超えも、広がるワクチンデマ
職域接種が始まり、高齢者だけでなく若者も含めた新型コロナウイルスワクチンの接種が各地で始まっています。これまで「コロナが収束したら飯行きましょう」と会話していましたが、いよいよ「ワクチン打ったら飯行きましょう」に変わってきました。
もちろんワクチンを打ったから100%安全安心ではないのですが、「暗闇ダンジョンにおける一縷の光のようなゴール感」がワクチンにあるのは間違いありません。
その接種率はゴールデンウィーク明けから一気に高まり、JX通信社の調べによれば7月1日時点で20%に迫る勢いです。このままペースを加速してほしいものです。
ところで、ワクチン接種のペースが加速するに従って、様々なウワサを聞くようになりました。ワクチンを打つと、遺伝子が組み替えられる、長期的な安全性が分からない、鎮痛剤を服用すると抗体ができにくい、不妊が多くなる…その他まだまだあります。
河野太郎ワクチン担当相は、自身のブログに「ワクチンデマについて」と題した記事を投稿し、数々のデマをわざわざ否定するほど、深刻な問題になっています。
参考:ワクチンデマについて(衆議院議員 河野太郎公式サイト)
今回の連載で考えたいのは、「なぜ人はデマを信じてしまうのか」です。自分の健康と身の回りの人の安全を守るワクチンを、単なる風聞や個人のオピニオンだけで「だったら接種はしばらく避けよう」「様子を見よう」と考えてしまう心理には何が隠されているのでしょうか。そして、そこから私たちマーケターは何を学ぶべきでしょうか?