行動経済学で理解するマーケティング最新事情 #14

「東京五輪に反対した奴らは楽しむな!」私たちの身近に潜む“ゼロサム思考”の危険性

前回の記事:
ワクチンデマの拡散から、我われが得られる教訓
 

減少した「#いまからでも五輪中止を」という投稿

NewsDigest「新型コロナウイルス 日本国内の最新感染状況マップ・感染者数」

 新型コロナウイルスが感染拡大している最中、東京オリンピックを開催して良いのか。開催が結果的に感染拡大を後押ししているのではないか。感染拡大を防ぐために、徹底した対策ができていないのではないか。多くの国民が、何よりも選手が悩んだのではないかと感じます。

 以前から「延期せよ」「中止せよ」という声が多数ありましたし、SNS上でも「#いまからでも五輪中止を」「#五輪やめて命まもれ」「#東京五輪の中止を求めます」「#もううんざりだよ東京五輪」というハッシュタグ付きの投稿が相次ぎました。

 ただし、開会式を迎えた後、そうした投稿はグンと減りました。私の所属するJX通信社の調べによると「#いまからでも五輪中止を」と投稿したユニークユーザー数は以下のように推移していました。もっとも投稿数が少なかった8月8日の投稿数を「1」としています。
   
「#いまからでも五輪中止を」と投稿したユニークユーザー数の推移
    
 7月18日は8月8日の86倍もの投稿者がいたのですが、23日の開会式以降みるみる減少しました。その他のハッシュタグでも同じような傾向を示します。代わりに、選手を讃える声が一気に増えました。

 明らかな「空気」の変化です。この変化を、どう考えればよいのでしょうか。そしてこの変化から私たち(マーケター)は、何を学べるでしょうか。

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