SNS・消費行動から見えてくる20代女子のココロ #31

ことばは、古い。若者世代は、絵文字や画像からその人の価値観や世代を判断する

前回の記事:
BTSに沼った私が、その魅力をマーケティング視点で語ってみる
 

いつの間にか、多くのインプットを動画から得るように


 言われてみれば、変化は随分前から感じていた。

 以前はレストランや旅行に行ったらInstagram用にたくさん写真を撮っていた友人が、動画も必ず撮るようになっていた。久しぶりに訪れたUSJでは、JKたちが壁にスマホを置いて熱心に写真を撮っていたり、画面に向かって踊っていたりした。また、美容外科のWebサイトでは、病院までのアクセス情報が動画になっていた。

 私自身もSlackで「ありがとう!」と書くよりも、「ありがとう(にっこり)」とアイコンでリアクションするほうがしっくりくるし、新しいガジェットのレビューは記事よりも動画でチェックするようになった。

 2022年、様々なインプットを画像や動画で行っていることに気づく。かつて「大量の画像や動画を外で見るなんて現実的じゃない。通信量だってめちゃくちゃかかるし、そもそも文字で読んだほうが速いでしょ」と思っていたけれど、今や屋外でスマホを触っている時に動画かなんて気にしない。たしかに文字を読むほうが速い気もするけれど、読むことへの心理的ハードルが高くて、結局、動画を1.5倍速で見たほうが速かったりもする。


 

若者世代は、ビジュアルからその人の価値観や世代を判断する


 先日、私が編集長を務める ユートラ編集部 というメディアで、SHIBUYA109 lab.の長田麻衣さんと、”Z世代”をテーマに対談することがあった。その時、長田さんから聞いて一番衝撃を受けたのが、若い世代はInstagramの投稿を見て、「こういう写真を撮って、こういう加工をする人は、こういう価値観でこれくらいの年齢だ」となんとなく分かるという話だった。

 また、写真をSNSに投稿するときには、「仲が良さそうな雰囲気」を演出するために、手作り感のあるお菓子を一緒に撮影するのが流行っているという。カメラマン顔負けの演出術である。

 私が同世代の友人と話しているPodcast「りっちゃ・りょかちのやいやいラジオ」では、若者の絵文字トレンドについていけないという話題になった。

 彼女ら・彼らの感性は刻一刻と変わっていく。実際にInstagramで「絵文字」と検索すると、色や用途ごとに絵文字を紹介する投稿が数多くあり、たくさんの「いいね!」がついている。いかに若者世代が絵文字にこだわりを持っているかがわかる。Z世代のビジュアルコミュニケーション力は、明らかに私たちミレニアル世代よりも高いのだ。

 長田さんも所属するSHIBUYA109 lab.で先日調査されたZ世代のSNS利用状況も興味深い。
 

 Z世代が新しい商品に出会う時、その多くの経路はSNSであり、その上位はInstagramや動画配信サービスが占めるという。長田さんとの対談では、「Z世代はことばでのコミュニケーション以外に、写真に使うフィルターや動画に使う音楽など、ニュアンスをすごく大事にする」という話もした。

 これだけ日常的に大量の映像や画像を見ていれば、「これはダサい」「これはイケてる」など、ビジュアルの細かい差に対して解像度が上がっていくのも理解できる。私たちがビジネスメールやブログ記事を読んで「この人って、こういう性格なんだろうな」と感じるのと似たような感覚が映像や画像から感じられるようになっているのかもしれない。

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