SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #34

「あのアプリは消えた」は安易な見方。分散化するSNSユーザーの正しい眺め方

前回の記事:
不景気になるとアイドルが流行る理由を、 悪い円安に頭を悩ますヲタクが考えてみた
 

安易な「あのアプリは消えた」という見方を消したい


 先日、ご自身もZ世代で、Z世代の企画会社「僕と私と株式会社」の広報担当者さんのツイートが話題になった。
 

「Z世代はググらない」と言われているが、実際は検索行動が細分化し、利用するサービスが増えている、という主張だ。

 世の中の生活様式を変えたアプリが “消えた” と言われるのは、世の常である。「LINE離れ」や「TikTokは実は見られていない」みたいなセリフを聞いたことがある人も多いのではないだろうか。その多くは、データを見れば、嘘だと分かるものも多い。

 このツイートでひとつ気づいたことがある。それは、これまでアプリが “消えた” 報道が行われていた時も、「若者はググらなくなった」と言われている現在も、使われているアプリは、入れ替わったのではなく “分散” してきたということだ。

 つまり「ググらなくなった」のではなく、検索する媒体が分散化しただけの話なのだ。「LINE離れ」「Google離れ」ではなく、チャットツールや検索ツールが分散化しただけの話。検索やチャットが成熟し、その用途が拡張し、それによって使い分けられたという話だ。

 そして、その背景にはインターネット上で検索できる情報や会話など 「検索できるもの」「話す内容」が膨大に増えたことも背景にある。


 

「検索」も「チャット」も、昔に比べると用途が多様に


 たとえば、「検索」という行動について、世の中にある情報の種類は膨大に膨れ上がっている。Google検索結果のパネル(表示形式)が多様化しているのは、情報の種類が増えているからだろう。

 昔はWebサイトで情報を得るために検索をすることがほとんどだったが、今は「お店を予約するため」や「特定のニュースに対する一般人の意見を知るため」、あるいは「渋滞の様子を知るため」、「目的地までの経路を調べるため」、「購入する洋服を探すため」など、検索する情報やシーンも多様ならば、検索した後の行動も多種多様だ。
 

 私もTwitterで言及したが、検索ツールを複数使うこともある。昔、別媒体で記事にしたこともあるが、友人とご飯を食べに行く予定があるとして、「渋谷にどれだけ和食のお店があるか」知りたいし、「それぞれのお店がどのような評価をされているか」も知りたいのである。そして、その2種類の情報を私たちは探すことができる(https://www.gentosha.jp/article/6614/ )
 
  • インターネット上にある情報は、どんどん増えている。そして、その種類も増えている。
  • 一度、インターネット上で行われるようになった行動は、それが普及すると、より行われるシーンが拡張していく。

 こういった背景から「検索」や「会話」といったひとつの言葉で表現される意味も、また膨れ上がっていったと思う。そのため、こちらのツイートのように 「複数のサービスが並行して使われている」と考え、「今はどれが使われているか」ばかり知りたがる考えから脱却しなければならないと思うのだ。
 

 私たちは昔に比べてよりディープに長時間に渡って、様々なシーンでインターネットに浸かっている。現在の「インターネット検索」は、昔から使われている意味での「インターネット検索」という言葉には収まりきらないのだ。

 私たちは、拡張する行動をひとつのアプリに押し込もうとする認識を改めて、言葉の意味をアップデートすべきなのではないだろうか。

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