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SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #04

「ミレニアル世代」という幻に騙されている大人たちは、一刻も早く世代論をアップデートすべきだ【りょかち】

前回の記事:
「おっさんずラブ」公式Instagramに学べ。 2018年のSNSは再び「親近感」施策で「マスメディア」が主役になる【りょかち】

「ミレニアル世代」とは一体何なの?

 「ミレニアル世代」という言葉をよく聞く。

 26歳である私も「ミレニアル世代」として取材を受けたり、講演をしたりすることがある。大体の中身は、「最近の若者である“ミレニアル世代”って一体、何考えてるの?」というような内容だ。

 そこで、“20代のおんなのこ”としての価値観やSNSライフを語る。

 では、「ミレニアル世代」とは一体何なのだろうか。

 調べてみると、「米国で、2000年代に成人あるいは社会人になる世代」としばしば語られている。とあるリサーチセンターは、1981~1996年生まれのことを指す、と定義していた。2018年、現在に年齢に換算するなら、37歳~22歳のことだ。
参考1/ / 参考2

 ともするならば、私が新卒以来務める会社はまさに、「ミレニアル世代」が多く在籍している会社である。周りは大体20代後半から30代中盤までが多い。私の上司もその上の上司も30代前半。私も私の上司も、私の上司の上司もミレニアル世代。確かに、理解ある上司であり、共感できるカルチャーも数多くあるが、全く同じ世代観なのだろうか。そもそも、だとすれば、アラフォーと新卒は同じクラスタ。メディアがちやほやするミレニアル世代とは、一体誰。その人って、ニューカルチャーを象徴する「若者」なの。

 とある上司がある日、Twitterに呟いていた。

 「知らなかったけど、どうやら僕も“ミレニアル世代”らしい」。

 ミレニアル世代とは、一体何を定義しているのだろう?

 そもそも米国で定義された概念なので、日本国内のバックグラウンドに即して話すと違和感があるのは当然、という人もいるかもしれない。だけど、それにしては、日本の色んな所で「ミレニアル世代」が語られすぎではないだろうか。

 「ミレニアル世代」というラベリングは、我々日本人の怠惰な姿勢の象徴か、はたまた、欧米のカルチャーを迎合するトラディショナルな思考のせいなのだろうか。
 
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ミレニアル世代は新しい概念ではなく、ただの「F1層」?

 さて、日本で世代論や広告のセグメンテーションに使われる言葉に、「F1層」という言葉がある。F1層とは「20歳~34歳の女性のこと」だそうだ。ちなみに余談だが、男性の同年代のクラスタのことはM1層と呼ぶ。これってまさに、「ミレニアル世代」なのではないだろうか。

 そう考えると、いろんなメディアがちやほやするのも納得できる。なぜなら、多くの広告や商品は「F1層」をターゲットに考えられるから。コスメも外食もファッションも、流行をつくり、消費するのはいつもF1層のひとたちなのだ。

 ある時は異星人として、あるときは伝統の破壊者として、ある時は新しい正義として語られる「ミレニアル世代」とは、昔からある「F1層分析」とほとんど同じ構図なのがわかる。現代の特異的な事象として語られがちだが、日本ではあくまでも繰り返し描かれ続けた構図なのだ。
 
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