鹿毛康司、モダンエルダーを目指す #06
未経験だらけの仕事に挑戦し続ける31歳、20代転職サイト「Re就活」の学情で不思議な能力者を見つけた
2024/08/05
「モダンエルダー」という言葉を知っていますか? 若者に耳を傾けて新しいことを受け入れながら、エルダーとしての力も発揮する「職場の賢者」のことを指します。日本を代表するマーケターであり、クリエイティブディレクターでもある鹿毛康司氏がモダンエルダーを目指して、様々な若手にインタビューしていく企画です。
鹿毛氏は「過去うまくいったことも、今ではうまくいかないことがあります。自分としては、思考能力はまだまだ大丈夫だと思っている一方で、時代との何らかのズレを修正し続けなければいけないと、恐怖を感じているんですよ」と語ります。本連載では「若者に教えてもらう」をテーマに、時代とビジネスの勘どころを探っていきます。
第6回は、第二新卒・20代の転職サイト「Re就活」で有名な学情 経営企画部マネージャーの定絵里加氏が登場。同氏は大学卒業後の2015年に学情に入社し、営業の経験を経て、テレビCM制作や商品企画、販促、広報、IR、社長案件など多岐にわたる業務をこなしています。インサイドセールス部隊やWebメディアなども一から立ち上げて成果を出していますが、最初から知見や経験があったわけではありません。社内に専門部署がなく、前任者がいない状況でどのように0から1をつくっていったのか、取り組み時の姿勢や成果を出す秘訣について鹿毛氏が紐解きました。
鹿毛氏は「過去うまくいったことも、今ではうまくいかないことがあります。自分としては、思考能力はまだまだ大丈夫だと思っている一方で、時代との何らかのズレを修正し続けなければいけないと、恐怖を感じているんですよ」と語ります。本連載では「若者に教えてもらう」をテーマに、時代とビジネスの勘どころを探っていきます。
第6回は、第二新卒・20代の転職サイト「Re就活」で有名な学情 経営企画部マネージャーの定絵里加氏が登場。同氏は大学卒業後の2015年に学情に入社し、営業の経験を経て、テレビCM制作や商品企画、販促、広報、IR、社長案件など多岐にわたる業務をこなしています。インサイドセールス部隊やWebメディアなども一から立ち上げて成果を出していますが、最初から知見や経験があったわけではありません。社内に専門部署がなく、前任者がいない状況でどのように0から1をつくっていったのか、取り組み時の姿勢や成果を出す秘訣について鹿毛氏が紐解きました。
飛び込み営業で1万回断られた2年間
鹿毛 僕は定さんの仕事を伺った時、CMづくり、商品企画、販促、広報、IR、社長案件など多岐にわたる仕事をしていると聞いて疑ったんですよね。「そんなにたくさんのことをひとりの人間ができるわけないじゃない」と。それに、その若さですよ。「31歳でそこまでやれるわけないじゃない、第一、経験も体験もないだろうし」と。ところが本当に手広く深く未体験の仕事を実に素晴らしくこなしていることを知りびっくりしました。修行をして大きな仕事につながると思っている私のような昭和うまれの人間には想像もつかなかった。読者の皆さんも想像がつかないと思うのですが、秘密を解き明かしたいと思います。
定 学情に入社したのは2015年です。当時はいまよりも3分の2くらいの社員数で、本社は東京ではなく大阪でした。ちょうど入社したころから、ものすごいスピードで会社が変わっていきました。会社として営業戦略・販売施策・商品企画・PRなど、様々な取り組みを見直したり、これまでにないことにも挑戦しようとしていました。だからいろんなことをやるしかなかったんですよね。それに、しっかりと考えられたアイデアであれば挑戦させてくれる社風があったんです。
学情 経営企画部 マネージャー兼インキュベーション室 室長
定 絵里加 氏
法政大学卒。2015年に新卒で学情に入社。法人営業を2年経験後、内勤セクションに異動し、インサイドセールスの仕組み作りを実施。商品企画や販売促進、Webメディアの立ち上げなどを経験し、現在は、広報・IRの他、テレビCM制作、新規事業の立ち上げ支援を担う。
定 絵里加 氏
法政大学卒。2015年に新卒で学情に入社。法人営業を2年経験後、内勤セクションに異動し、インサイドセールスの仕組み作りを実施。商品企画や販売促進、Webメディアの立ち上げなどを経験し、現在は、広報・IRの他、テレビCM制作、新規事業の立ち上げ支援を担う。
鹿毛 入社当初は何を担当していたのですか。
定 求人広告や合同企業セミナーなどの新規開拓営業をしていました。毎日30~40件ほど飛び込み営業やテレアポをして、30件中商談ができるのは良くて5件でしたね。
鹿毛 30件中25件は断られるわけだから大変ですね。それをどのぐらいやっていたのですか。
定 2年ほど取り組みました。初めてお仕事をいただいたのは、飛び込み営業で名刺交換をさせていただいた銀座にある企業です。いまでも社名や場所を鮮明に覚えていますね。
鹿毛 最初の成功体験は覚えているものですよね。しかし、辛いとは思わなかったですか。
定 それが不思議なことに辛く感じなかったんです。断られても、「ニーズと合致しなかったんだな」「タイミングが合わなかったのかな」と捉えたりして。
鹿毛 そんな経験をしながら、大きく会社は変わっていくのですね。Webメディアの強化にも注力して、「Re就活」が20代の転職検討者が選ぶ20代向け転職サイトでNo.1(東京商工リサーチ調査「20代が選ぶ20代向け転職サイト」)になったと聞きました。
かげこうじ事務所 代表 マーケター クリエイティブディレクター
鹿毛 康司 氏
2020年、エステー クリエイティブディレクター(役員)を退任して現在にいたる。 早稲田大学商学部卒、ドレクセル大学MBA。現在は森永乳業、ほけんの窓口、バーガーキング、ベストコ(塾)会社など様々な企業のマーケティングとクリエイティブの支援をおこなっている。同時にグロービス経営大学院(MBA)教授として社会人学生にマーケティングを指導。2021年には著書「心がわかるとモノが売れる」で、マーケティングに必要なインサイトと人間理解論を実務家の視点で発表した。今年7月26日悩める若手マーケターを応援するためにと「無双の仕事術」を発表。マーケティング立案、特に時代に新しいコンテンツマーケティングやファンマーケティングも得意とする。クリエイターとしてもCMプランナー/監督/コピーライター/作詞作曲などもこなす。2011年の東日本大震災直後に手がけた「消臭力CM」は好感度日本1位を獲得)。ACC Gold、マーケターオブザイヤー(MCEI)、WEB人貢献賞など受賞。
鹿毛 康司 氏
2020年、エステー クリエイティブディレクター(役員)を退任して現在にいたる。 早稲田大学商学部卒、ドレクセル大学MBA。現在は森永乳業、ほけんの窓口、バーガーキング、ベストコ(塾)会社など様々な企業のマーケティングとクリエイティブの支援をおこなっている。同時にグロービス経営大学院(MBA)教授として社会人学生にマーケティングを指導。2021年には著書「心がわかるとモノが売れる」で、マーケティングに必要なインサイトと人間理解論を実務家の視点で発表した。今年7月26日悩める若手マーケターを応援するためにと「無双の仕事術」を発表。マーケティング立案、特に時代に新しいコンテンツマーケティングやファンマーケティングも得意とする。クリエイターとしてもCMプランナー/監督/コピーライター/作詞作曲などもこなす。2011年の東日本大震災直後に手がけた「消臭力CM」は好感度日本1位を獲得)。ACC Gold、マーケターオブザイヤー(MCEI)、WEB人貢献賞など受賞。
定 「Re就活」は2004年から運営していましたが、通年採用や第二新卒採用のニーズが拡大していることを受けて、2017年にフルリニューアルしました。そのタイミングで、「Re就活」をはじめとしたWebメディアの成長を強化していくことになります。私も入社3年目から未体験の仕事をさせてもらうようになったのです。