食のビッグデータ最強タッグ「クックパッド×ぐるなび」のトレンド分析 #03

クックパッドとぐるなびのデータを組み合わせることで見えてきた、内食と外食トレンド(例:チーズタッカルビ)

前回の記事:
【食トレンドの生まれ方】インスタ映えだけではなかった、チーズタッカルビブームの理由

タッカルビブームを検証

 内食と外食のビッグデータを持つクックパッドとぐるなびの2社が、それぞれの視点からトレンドを紹介することで、日本の「食」の実態に迫る本企画。

 前回までに、ぐるなび 中村さんから、チーズダッカルビのブームを例に、「インスタ映え」だけではない食トレンドの生まれ方について紹介いただいた。

 本稿では、ぐるなびが保有する外食データと、私たちクックパッドが保有する内食データを組み合わせることで、チーズタッカルビが内食ではどういった拡がりをもっているのか、家庭で提供される時にはどのような工夫がなされていたのかについて解説し、組み合わせることでみえる、飲食市場のトレンドについてご紹介する。



 これまで、「食のトレンド」は料理のプロが起点となる外食で発生し、その中の一部が内食や中食へと派生すると一般的に言われてきた。それが今では、ブログ、SNS、レシピサイト、グルメサイトなどを通じて生活者が情報を発信し、それをプロが目にするという流れも少なくない。

 さらに、「メディアで紹介された話題の飲食店メニューをつくってみたい」「外で食べておいしかった料理を家庭で再現したい」という場合、クックパッドのようなレシピサービスで検索するということも一般的になっていると言えるだろう。

 チーズダッカルビを例に、どのようにメディアにとりあげられ、外食でどのように変化をしていったかは、ぐるなびの中村さんに解説していただいた。

 では、チーズタッカルビは、内食ではどのように変化をしていったのか。

 クックパッド上でのタッカルビレシピの検索は、データを蓄積し始めた2009年当時から一定量があったことが確認できている。2016年以降の検索頻度の推移は、外食発のメニューが内食文脈でも紹介され、中食向けにアレンジが加えられて現在に至った過程を紹介した。

 レシピ検索の場合は、1キーワードでの検索だけではなく、複数キーワードを組み合わせて検索される場合も多い。タッカルビとの組み合わせ検索の状況を確認してみたところ、2017年は、チーズとの組み合わせが継続して1位となっていることがわかる(図1)
 
図1.タッカルビとの組み合わせ検索キーワードランキング
 これらを見ていくと、家庭で調達・利用されやすく、他レシピへも転用しやすい鶏胸肉を使っていること、主菜として子ども起点で食卓へ提供されていることがわかる。

 また、本場というキーワードにみられるように、「外で食べておいしかった料理を家庭内で再現したい」「メディアで紹介された話題の飲食店メニューをつくってみたい」という心理を推察できる。家庭内で本格的な外食レシピの再現を目的としたレシピ検索が行われているといえる。

 では、レシピ数はどのように変化したのだろうか。

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