SNS・消費行動から見えてくる20代女子のココロ #07

若者向けに「便利で簡単」をつくり続ける人が見落としがちな1つの視点【りょかち】

「コレカワイイ!見て!」の愛を利用したキャンペーン

 そして、ソーシャルメディアによってシームレスに企業と個人がつながる現代だからこそ、そのユーザーの熱意を最大化しようとするキャンペーンを見ると嬉しい気持ちになる。

 例えば、新しい例で言えばP&G「カラフルJOY」は多くの人を熱中させ、ワクワクさせたのではないだろうか。

 カラフルJOYとは、食器洗剤のJOYを2種類(W除菌JOYと透明ボトルのJOY)混ぜることで2層になったカラフルでカワイイ洗剤ボトルがつくれる、ということを利用したムーブメントだった。



参考:https://www.instagram.com/pg_colorful_joy/
参考:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-59078/

 これらはカラフルJOYという「手間を掛けてつくるユーザーの作品」を、企業がLP(ランディングページ)やInstagramなどを使って、つくり方やハッシュタグを示し、さらにそのムーブメントの輪を広げていたのだ。

 また、過去には別で「ハーゲンハート」という施策もあり、私はこれもよく覚えている。ユーザーが、アイスクリームの「ハーゲンダッツ」の蓋を開けたときにハートのような形が浮き上がるのをInstagramやTwitterにあげていて、これを公式が「ハーゲンハート」と名付けてPRコンテンツ化したのである。

 確かに、Twitterなどで時々「ハーゲンダッツを開けてみたらカワイイ柄になってた♡」というような投稿は見ていたけれど、「ハーゲンハート」と呼ばれれば毎回ハーゲンダッツを買うたびに意識してワクワクしてしまう。そして、ハートを見つけた日には可愛く写真に撮って、InstagramやTwitterにあげたくなってしまう。たとえその写真撮影や写真の加工に手間がかかったとしても。
 

手間をかけるための”熱狂”をともに探して

 私たちは、いつも「ワクワク」を探して生きている。

 決して、いつも「不便」にイライラして生きているわけじゃないし、そんな生き方をしたいとも思っていない。

 もちろん、なにかの商品へのアクセスは、簡単で迅速でわかりやすい方が良い。だけどそればかりに視点が落ちて、単純で無味乾燥なUXばかり提供していてもつまらない。“Instagram熱”も高まる現代で、私たちは「ねえねえ、かわいくない?見て!」という子ども心を持っている。また一方で、”ヲタク”が一般化したこの世界で、好きなものに熱中する楽しさを知っている。



 誰もがクリエイターになれるソーシャルメディア全盛期において、私たちはクリエイティブを発揮する機会を探しているのだ。あるいは、誰もが「ヲタク」を名乗れる時代において、愛の受け皿を探している。

 だからこそ、つくり手は「効率化」や「簡易化」と同等に「いかに楽しんでもらうか」「いかに熱量を注いでもらうか」「いかにつくり込む余白をつくるか」を考えなければならないのかもしれない。

 私たちのクリエイティビティを刺激するために、つくり手もクリエイティビティを発揮してアイデアを模索する会議ができるならば、そんなに楽しい時間はない。

 私たちと一緒に、ともに”熱狂”できる楽しい遊びを探して欲しい。
 
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“トレンド”という呪縛から自由になった私たちは「自分に似合うもの」に夢中になる【りょかち】
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