グローバルガイドライン作成に、英語に奮闘中!スイスの「社窓」から #02
海外赴任で痛感する、日本人コミュニティの大切さ【ネスレ 村岡慎太郎】
危機発生!「日本人コミュニティ」の大切さを実感
ネスレ本社があるスイスに1月上旬に赴任してから2カ月が経ちましたが、現地の日本人同僚との「つながりの大事さ」を感じさせられてばかりです。今回は2月に経験したことからお話ししようと思います。
スイス本社には8人の日本人がいます。その中でも私より1カ月遅れでスイスに来た島川基(Assistant Regional Manager, Zone AOA)と、森田浩平(HR Business Partner, Zone AOA)には、本当に助けてもらっています。
2人とも私が日本に居たときから一緒に仕事をしてきた仲で、島川は何度かスイスに来ていたため現地への順応性が高いですし、森田はスイスに赴任してから1年以上経っていて経験が豊富なため、仕事から生活までサポートしてもらっています。
最近、その有り難みを痛感した出来事がありました。私が2月上旬から3つのイベントのコーディネイトを任せられ、約1カ月に渡って激務が続いたんです。
ひとつ目のイベントは、「MOR(マンスリー・オペレーション・レビュー)」という各プロジェクトがKGI/KPIに対して、どこまで進捗したのかを月間で確認する会議。本社内のさまざまな部署を巻き込んで、情報をアップデートしていくことが求められました。
2つ目は、「グローバルメディア・ミーティング」。ネスレが仕事を依頼している4大グローバルエージェンシーとの四半期ミーティングの仕切りです。議題は他の人と一緒につくるのですが、その進行のフォーマットが定まっていなかったので、上司から「オーガナイズしてほしい」という依頼を受けました。
そして3つ目が「グローバルメディア・カウンシル」。これが3つの中で最も重要な会議で、世界の主要18カ国のメディア責任者が3日間かけて話し合います。多くのメンバーが参加するため、無駄のないスケジュール管理やプレゼンテーション準備が求められました。
経験したことがない業務の連続で、精神的にも余裕のないギリギリの状態が続き、イベント直前に動けないほど体調が悪くなってしまいました。
でも、絶対に休んでいられない時期だし、どうしようかと困っていたところ、島川や森田が心配して食事を用意してくれたり、まめに連絡をくれて助けてくれて、どうにか出社できるまでに体調が戻りました。
そして「良かった」と安心したのも束の間。その1週間後には猛烈な腹痛に襲われて、上半身は蕁麻疹(じんましん)で真っ赤に・・・。
「これは、やばい」と病院に行くと、疲れによるウイルス性胃腸炎という診断でした。ここでも彼らがこまめに連絡をくれて、サポートしてくれたんです。
そこから、なんとか復帰してイベントを乗り切ったのですが、おそらく私ひとりだったら、回復できずに業務をやり遂げられなかったと思います。
海外赴任している人の中には「早く語学を身につけたい」という理由で、なるべく日本語に触れないように意識している人もいますが、私はむしろ「日本人同士のつながりを大事にしたい」と再認識した経験でした。今は自分が彼らに何かお返しをしていかなければ、という心持ちでいます。