アセアンのリアルな生活者の姿を追う #07

新しいテクノロジーの普及で、アセアンの生活はどう変わる?【博報堂生活総研アセアン 帆刈吾郎】

前回の記事:
1997年アジア通貨危機が生んだトラウマ世代と、ポジティブなミレニアル世代【博報堂生活総研アセアン 帆刈吾郎】

テクノロジーが起こす新しい生活行動の兆し

 今回は、新しいテクノロジーとアセアン生活者の関わりについてご紹介したいと思います。

 アセアン各国において、過去 10 年間でスマートフォンとソーシャルメディアは目覚ましい勢いで普及しました。今やアセアン生活者の情報源はスマートフォンが中心といっても過言ではありません。 

 しかし、この先の 10 年を見据えたとき、世界では「スマートフォンの次にくる技術」 が次々と普及する兆しを見せています。IoT、AI、EC、コネクテッドカー、スマートスピーカーなど、 新技術が世界の生活者行動を変え始めています。 

 アセアンでは、こうした技術の普及はまだまだ先のことかもしれませんが、一度変化が起こってしまってから追いかけていては、手遅れになるかもしれません。

 アセアン生活者がこうしたテクノロジーに出会ったとき、どのような変化が起こるのか。今回は、新しいテクノロジーがアセアン生活者に起こす新しい生活行動の兆しを先取りしてご紹介します。

 

世界有数のスマホ好きだが、半数は「情報疲れ」も

 アセアンは世界でも有数のモバイル大国です。人口当たりモバイル普及数では、先進国を含むエリアさえも上回っています。



 その一方で、スマートフォンを触る時間が多すぎるといった意識を持つ人も増えています。博報堂がアセアン6カ国で実施した調査では、約7割が「スマートフォンのスクリーンを見すぎている」と感じています。

 また、約半数が「商品選びが面倒」「情報が多すぎて圧倒される」など、「選択疲れ」「情報疲れ」という意識をもっていることがわかります(普段の生活態度について「とてもそう思う+そう思う」の合計)。


スマートフォンが大好きなアセアンの生活者も、あまりにスクリーンを見すぎているよね、という感覚を共有しているようです。また、半分程度ではありますが、情報過多感とそれに伴う商品選択に手間を感じている人も出始めているといえるでしょう。

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