――すごいですね。現場で感じたステーキハウス88の強みとは、何だったのですか。
まず、名前にすごくインパクトがあるので、知らない人であれば何だろうと興味を持ちますし、観光のパンフレットに載っていても目にしたことがあるなと思ってもらいやすいんです。
また、調べて来られる観光客にも、沖縄で歴史のあるステーキ屋だということで、選んでもらいやすいんです。あと、今はこれだけ店舗数が増えたので、個人店よりも圧倒的に安い金額で質の良い肉を仕入れられるようになり、スケールメリットの恩恵もだんだん受けられるようになってきました。
――店舗の拡大にあたってターゲットを変更されたわけですが、あえて変えていないことや、逆に新しく取り入れたことはありますか。
変えていないのは、ステーキの前に出すクリームスープですね。観光客の方の中には、「このスープおいしくない」、「コンソメがいい」という人もいるのですが、これがステーキハウス88ならではだからと、あえてやり通しています。
逆に取り入れたのは、単価の高い石垣牛のメニューです。地元の人はわざわざ高級な石垣牛を食べませんが、観光客には石垣牛を食べたいという需要があるので、観光客がメインの国際通りの店舗にはそういったメニューを用意するなど、地域によってアレンジしています。何年もやっていると、どこで何が好かれるかが体感としてだんだん傾向が分かってくるので、今でも店舗ごとにメニューをチューニングしています。
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――ステーキハウス88から派生して、「ステーキハウス88Jr.」というブランドも展開されていますね。
そうですね。ステーキハウス88を観光客向けに展開する一方で、ステーキハウス88Jr.は地元にフォーカスして展開しています。注文はスマートフォンやタッチパネルで操作し、スープやサラダ、ライスもお客様にセルフで取っていただくようにして、人件費を削減する代わりに200グラムのステーキが1000円で食べられるという仕組みです。今は人件費をもっと徹底的に下げるために、ステーキハウス88Jr.に関しては全部セルフレジに変えようと思っているところです。
※後編「沖縄人気店「ステーキハウス88」、コロナ禍を乗り切る強みとは?」に続く
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