5月21日(水)~5月23日(金)、グランドメルキュール沖縄残波岬リゾートにて毎年恒例のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ」が開催されました。すでに5年もの間、アジェンダノートに毎月記事を執筆している筆者ですが、「マーケティングアジェンダ」へ参加するのは今回が初めてでした。

350名以上のトップマーケターが集結する同会の今回のメインテーマは「AIは市場を創造するのか?」。3日間に語られたこと、体験できたことを、筆者なりの視点でレポートします。

前編となる今回は、マーケティングアジェンダ沖縄2025の全体テーマであった「AIは市場を創造するのか?」について、数々のセッションで語られたことや、それを通じて筆者が考えたことを振り返ります。

目の前で次々に繰り広げられる「AIの爆速進化」ぶり

 マーケティングアジェンダには、大きく分けて2種類の参加者がいます。一方は「ブランド」と呼ばれる事業会社側の方々であり、もう一方は「パートナー」と呼ばれるサービスベンダー側の方々です。

 例えば、花王やファミリーマートは「ブランド」の方々であり、電通やノバセルは「パートナー」の方々となります(筆者自身はまた別の枠組みである「スピーカー」枠でした)。


ブランドとパートナーが一つのテーブルについて、議論・交流する。

 AIがメインテーマとなった今回の登壇者は、様々な形でAI活用をサービスとして提供しているパートナーが勢揃いし、またブランド側でもAI活用に取り組んでいる会社さんが多数壇上に登りました。

 例えば、「接客AIエージェントが再定義する顧客体験とマーケティングの未来」「AI時代の要となるデータ活用」「AIに向き合う前にマーケターが知っておくべきデータの話」などのセッションタイトルが並びました。


1日目のキーノートのテーマは「AIは市場を創造するのか」。AI時代におけるマーケティングの役割を再考した。

 AIに関して筆者は、時々使ってみたりはするものの、たいして詳しくはありません。そんな筆者からして、次々に繰り広げられるAI活用の様々な実態と、その爆速での進化の様子は、「素晴らしいぞ!」と思う反面、あまりにスピードがつき過ぎていて、少しクラクラしてしまいそうなほどでした。

 様々に紹介される「AI活用の爆速進化」の様子に加えて、たびたび話題にのぼったのは、「AIに何をやらせて、人は何をやるべきか?」というものだったように思います。そこで主に語られた、人がやるべきことは、「問いを立てる」「判断をする」「実行する」といったものだったように記憶しています。