関西発・地方創生とマーケティング #01

地方創生には、マーケティングの力が必要になる

マーケティングが地方創生につながる

 地方創生とは、地方人口の減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることです。そのために必要なのは仕事、すなわち、ものづくりや観光産業ではないかと思います。

 私自身、3年半、三重県にある志摩市に単身赴任しました。地方の企業で仕事をした経験から、それを強く感じます。その地に、仕事が無ければ、人は仕事を求めて、外に出て行かざるを得なくなります。

 では、仕事とは何でしょうか?

 例えば、お客さまの求めるものを提供し、その対価を頂戴することだとします。そのために重要なのが「売れ続ける仕組み」なのでしたら、まさにマーケティングなのだと思います。

 すなわちマーケティングの力で、地方の産業が発展すれば、地方創生につながると考えます。

 マーケティングを学校で学んだとか、一流企業でバリバリやってきた、いわゆるマーケターではなくても、「あなたのその取り組みが、実はマーケティングだったのだ」ということもある気がします。

 商売人、とりわけ創業者が、つくり上げた仕組みは秀逸です。しかし、創業当時は磐石であっても、代替わりして後継者が安住してしまい、時代の流れに合わせていけなければ、もはや売れる仕組みから外れてしまうことになりかねません。

 そこで常に、変化に対応できるマーケティングのプロが必要になるのではないでしょうか。とはいえ、地方には、なかなかそういう人材がいないのが実情です。では、どうすべきか。いくつかの方向性をピックアップしてみます。
 

1.  マーケティングを実践してきた人材が地元にUターンする。
2.  その地に縁が深い、例えば鉄道会社や地元の大学と連携する。
3.  プロに依頼する。


 いずれにせよ、その地方のことをよく分かっている人がいないと上手くいきません。できることなら自身がその地方に住み、その地方の良いところを知ったうえで仕事をする。

 ただ、そのマーケターがいなくなった時に、そのノウハウを継承した人が育っていないと、また元に戻ってしまいます。

 人を育てるにはどうすれば良いのでしょうか。その組織に入り込んで率先垂範、やって見せて、やらせて褒める。これの繰り返しではないでしょうか。次回からは、その具体的な事例を紹介していきたいと思います。
続きの記事:
やりがいのある仕事の創出が、人材確保につながる-三重県・志摩スペイン村での試み
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