最新ニュースから読み解く、物流とマーケティング #05

インターネット通販 成功の鍵「桶の理論」「10億円の壁」を知っていますか?

前回の記事:
中国へのBPO最前線、ECサイト「OMO(Online Merges with Offline)」の進化をどう支えるか

各部門の足並みを揃えることが大事


 インターネット通販に「桶の理論」というものがある。

 木の桶は、何枚かの板切れを組み合わせて作られているが、その中の1枚でも短いと「一番短い高さ」までしか水を貯めることができない。

 ネット通販も同じで、商品企画が満点、サイト設計も満点、プロモーションも満点、在庫も受注も満点でも、出荷が50点でパンクすると、全体も平均点ではなく50点になってしまうという理論だ。



 あるカタログ通販会社が部門ごとにKPIを設定し、その達成度でメンバーのボーナスを支給する制度を導入した。

 カタログをダイレクトメールで発送する部門のKPIは、注文発生率。その部門は過去のデータを分析して、注文発生率が高い日を発見した。当然、カタログをその日に目掛けて大量に送った。

 その結果、コールセンターがパンクし、物流センターの発送も遅れ、さらに大量受注に驚いた仕入れ担当者が新規発注。その後に、注文は減少してしまい大量の在庫を抱えてしまった。注文数が一番高かったその年は、一番の赤字を出した年にもなった。

 ネット通販において、桶の例と同じように、高さを合わせることがたいへん重要だと分かる事例である。
 

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録