ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #21

「販売員で差別化」b8ta日本代表が語る、体験型RaaSで最も重要なポイント

 

ポップアップショップがうまくいかない理由




郡司 私は、ポップアップショップは多分うまくいかないと思っているのですが、その理由は従業員教育にあります。実際に米国のb8taで話を聞くと、スタッフがそれぞれの商品の特性を理解していることが伝わるんですよね(参考:Googleも出品。知る人ぞ知る、店頭の商品が売れなくても利益が出る米国の注目店舗「b8ta」)。

でも、ポップアップショップの場合、スタッフが4人いたとしても、その中1人ぐらいしか製品特徴を理解していないことが多いんです。それでは上手くいきません。さきほどトレーニングの話を聞いて、すごく良い方法だなと思いました。

北川 
最終的に他社と差別化できるポイントは、販売員にあると思っています。日本でも一番力を入れるつもりです。

来店者はある程度話を聞くと、買わなければいけないという強迫観念を持ちがちですが、b8taの場合は体験してもらうことが目的なので、そうしたハードルをあまり感じません。逆に、スタッフの話し方も「売り」を感じさせないように教育しています。
 
■筆者の考え

筆者がインタビューの機会を得たときに最も聞きたかったのが、従業員教育と評価の話でした。これはb8ta式の「RaaS」の最重要ポイントであると考えるからです。

プロダクトが革新的であればあるほど、不明点を説明してもらいたい来店客が多くなります。ここで良い体験を提供できるかが、プロダクトオーナーである出店者にとって最も重要なポイントなのです。

顧客行動の測定をダッシュボードで提供するのは、場の価値を定量的に伝える手段として優れていますが、本質は興味を持ってもらったプロダクトに良い体験を付与することだと考えます。

第三回 なぜ商品を売らない姿勢が大切なのか。今夏、日本進出のb8taが明かすビジネスモデル に続く
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