関西発・地方創生とマーケティング #02

やりがいのある仕事の創出が、人材確保につながる-三重県・志摩スペイン村での試み

村長は暇なのか!?現場キャストのツイート

 先の売上は、事務レベルだけでは達成できないし、また現場だけでも実現できない。双方のコミュニケーションがあってこそだと思う。

 着任以来、毎日2回はパークを巡回し、キャストの顔を見て回るようにしていた。しかし、あるとき「能川部長、毎日パーク歩いているけど、暇なのかなあ・・・」とキャストがTwitterでツイートしていることがあった。

 これは、私がそのキャストときちんとコミュニケーションを取れていなかったからだと気づき、それ以降はポケットに全キャストの顔写真と名前のリストを忍ばせて声をかけて回るようにした。

 キャストたちとバーベキューをした際、参加してくれた短期バイトの人も名前で呼ぶと、いたく感激してくれて、仕事もとても頑張ってくれ、売上にも貢献してくれた。そしてお互いに志摩スペイン村を離れた今でも、たまに食事をするなどと付き合いが続いている。やはり、人は自分の働きを周囲や上司から見てもらえると、やりがいを感じるものだ。

 また毎日、パーク内を回っていると、ご飯でも行こうかという話になる。しかも、そういう話になるのは、キーパーソンであることが多いので、そのキャストに何人か集めてもらう。そしてそういう場に出てくるのは、元気で意識の高い者が多く、こうして仲間、同士を増やしていく。

 ちなみにNTT西日本の宣伝課長を経て同社のコールセンター責任者になった人も、同じことをお話していた。誘われたら絶対に断らず、人間関係を築いていった、と。共通しているのは、大阪勤務時代よりも出費が増えたということ。

 このように現場からアイデアが出やすい環境をつくり、そのアイデアをもって売上を伸ばすという成功体験を積ませることで、働きやすい職場とやりがいのある仕事ができたのではないか。そしてその結果、一度辞めた人材が戻ってきたり、アルバイトが友人を紹介してくれたりと、人材確保に少しは貢献できたのではないかと思う。

 僅かな人数ではあるが、これを積み重ね、また他に広がりが出ることで、地方創生に繋がっていけばと思う。
続きの記事:
あなたの「仕事」の本質は何ですか?三重県「志摩スペイン村」での取り組み【近畿日本鉄道 能川一太】
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