最新ニュースから読み解く、物流とマーケティング #09

コロナ禍で激変した物流現場。感染防止対策の実情と、EC出荷量の変化を追う

前回の記事:
春節明け、オフィスに入れない。新型コロナウイルス対策の実情【中国 現地レポート】
 

テレワークができない「物流現場」の対応策は?


 新型コロナウイルスの出現後、様々な景色が変わったが、EC・OMOを支える物流センターも例外ではない。では、どのような変化があったのだろうか。

 今回は特にテレワークができない物流センターの新型コロナ対策と、その影響によりECの出荷量がどのように変化したかをレポートしていく。外出禁止で、ますます需要が高まるEC受注だが、止めることのできない物流センターはどのようにウィルスの進入を防いでいるのか。

 筆者の管轄する一番メインの物流センターは浜松市にある。

 幸いこのレポートを書いている5月14日現在、浜松市は政令指定都市ながら新規感染者ゼロの状態が1カ月以上続いている。

 もともとスズキ、ヤマハといった工場が多い都市のため、インフルエンザ対策で、常に工場内はマスク着用が義務付けられていたり、車社会のため電車を通勤に利用する人が少ないことなどが影響していると思うが、1000人にのぼるセンタースタッフには幸いなことにひとりの感染者も出ていない。

 それではテレワークのできない物流センターでは、どのような対策が講じられているのだろうか?
 
  1. 毎日、自宅で検温を実施し、自分と家族に異常のある者は出社できない。
  2. 入場する際にアルコール消毒を実施。これは休憩タイムごとに実施される。
  3. 全員マスク着用(これはコロナ以前より、インフルエンザ対策で実施してきているため各自がマスクは備蓄していた)。
  4. 昼食は2班編成で、座るエリアを作業棟ごとに区分けした。
    また、両横と前を空けるチドリ格子型に着席し食事することとした。
  5. スタッフは名札のIDを読ませてから作業に入るため、1日の間に複数の作業エリアで勤務してもログを追える状態にしてある。これにより感染者が出た場合、濃厚接触者が特定できるようになっている
  6. 1時間ごとに窓を開けて換気、昼食時はもちろん換気している。


食事の時も両側、対面には座らないように徹底している。

 さらに入場する外部業者にもマスク着用とアルコール消毒は徹底してもらった。そして当社スクロール360の東京勤務者は、物流センターへの立ち入りは禁止、もちろん見学者も立ち入り禁止という徹底ぶりだ。

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