ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #28

Amazonの新サービス「Dash Cart」が、「Amazon Go」より普及する可能性がある理由

前回の記事:
米国水準が日本にも。ウォルマート、ホームデポが実施するBOPIS(店頭受取サービス)最前線
 

Amazon Dash Cart ハードウェアとしての3つ特性


 7月14日に、Amazonが新しいサービスを発表しました。

 サービス名は「Amazon Dash Cart」。いわゆるScan & GO型(タブレットやスマートフォンでセルフスキャンしてもらう)サービスで、お客さん自らの手により売場でお買い上げ商品をスキャンしてもらい、レジ決済をスピードアップするというものです。
 
https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=21289116011

 今回は、Amazon Dash Cartは他のScan & Go型サービスと何が違うのか? スキャンすら要らないAmazon GoをリリースしているAmazonとして、このサービスの立ち位置がどこなのか? を探っていきます。

 まず先に結論を言いますと、Amazon Dash Cartの可能性は「大アリ」です。

 タブレット付きカートに付いているバーコードスキャナーでのセルフスキャンと言うと、本連載で取り上げたトライアルのスマートレジカート(連載第9回:トライアルのスマートレジカートに学ぶ、店舗が「客単価」を上げるためのヒント)や、イオンのレジゴー(筆者操作動画)などと似ていますが、違う要素があります。

 公式Webや動画を見る限り、ハードウェアとしての特性は次の3点です。
 
1.バーコードスキャナーが客(カートの持ち手)側ではなく、カゴ側にあること。

2.カゴ側にバーコードスキャナー以外のセンサー(おそらく画像系)が搭載されていること。公式サイトに “The cart uses a combination of computer vision algorithms and sensor fusion to identify items you put in the cart(カートは、コンピュータビジョンアルゴリズムとセンサーフュージョンの組み合わせを使用して、カートに入れたアイテムを識別します)”と記載されています。

3.重量センサーが搭載されていること。

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