「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #02
LTV(生涯顧客価値)が重視される背景と、上げるための方法【ペンシル 倉橋美佳】
2018/07/02
なぜ企業はLTVを重視するようになったのか
第2回は、「LTV」について考えたいと思います。LTV:ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)
ライフタイムバリューは、ひとりの顧客が特定の企業に対して、生涯でどれだけの利益を生み出すのかを指す言葉です。
ただし、通販企業によっては、主力商品が決まっていたり、ラインナップ数が多くない単品型であったりすることから、利益率や施策の単価が一定金額となり、単純に1年間での売上を見るケースも多くあります。
EC通販の変遷を振り返ってみると、以下のようになります。「要求KPI」とは通販企業が広告会社やメディアに対して、達成を要求するKPIのことです。
- EC1.0 黎明期
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要求KPI
=CPC(Cost Per Click)事業者:
「CPCは100円以下でお願い。とにかく安く送客して」判断基準:
1クリックをいかに安くできるか - EC2.0 成長期
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要求KPI
=CPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)事業者:
「CPAが高いよ!もっとCPA下げて」判断基準:
CPAがいくらで、何件獲得できるか - EC3.0 成熟期
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要求KPI
=LTV事業者:
「引上率は?引上率を考えて、CPO(Cost Per Order)で集客してね」
※サンプル商品などから本商品の購入に引き上げる割合判断基準:
獲得した顧客が何件残存し、LTVはどうなっているか
つまり、EC3.0での重要指標が、LTVとなるわけです。LTV重視にシフトした背景には、CPAの高騰があると思っています。例えば、CPAが低く、商品利益よりも低い単価で獲得できた場合、一回の購入で利益の回収が可能です。そうなれば、LTVを考慮する必要はありません。
現状の通販事業でしたら、7回ほどの回転で赤字を解消し、黒転を目指すことが多くあります。そうなると、「1回目の客単価+2回目以降の客単価×回数」が重要であると考えられます。
では、LTVはどのように算出すればいいのでしょうか。
今回は、ある通販企業の定例指標で見ているものを参考に説明します。過去と比較がしやすいように1年を上限に、6カ月、3カ月、と期間を短く区切って計測しています。
顧客LTV = 購入単価 × 初回購入から1年以内の購入回数
LTVは常に変化するため、常に計測しながら、施策の効果を見ていく形となります。
では、LTVを上げるための施策にはどのようなものがあるのでしょうか。大きく3つに分けることができます。