ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #30

商品を販売しても1円もお金が入らないお店の正体。日本進出 b8taの最新店舗を体験

 

b8taにおける米国と日本の違い


 筆者は、米国のb8taを3回訪店(参考:Googleも出品。知る人ぞ知る、店頭の商品が売れなくても利益が出る米国の注目店舗「b8ta」)しています。

 展示されている商品は、スタートアップ企業のつくったデジタルガジェットが圧倒的に多く、Best Buyなどの家電量販店には並んでいないD2C製品が多い印象です。

 b8taの日本進出には、日本企業が出資しています。丸井が出資した関係で新宿丸井に、三菱地所が出資した関係で有楽町電気ビルに、それぞれ最初の店舗が出店しました。

 大手ホームセンターのカインズが出資したことで、両店舗に同社製PBが陳列されていますが、いずれカインズの店舗内店舗として展開される可能性があります。また、凸版印刷は米国 b8taの出資者であり、有楽町店では開発中の製品が展示されていました。
 
b8ta Tokyo - Shinjuku Marui:以下、7/28筆者撮影
 
b8ta Tokyo – Yurakucho

 品揃えとしては、特に新宿店で化粧品、食品の展示が多く、これが成功すると独自の製品ラインアップが強くなっていく可能性があります。ただし、コロナ禍でテスターや試食が難しくなった状況をどう解消していくかが課題になるでしょう。なお、店内の什器は日本人の体格に合わせて、高さだけ変えたものを米国から運び入れたとのことです。

 新宿丸井店は122㎡に、100の出品区画と、単一ブランドを体感できるエクスペリエンスルーム区画(BASE)がひとつあり、スタッフ8人の内6人が丸井から出向ということで、開店当初から安定した接客が受けられました。想定来客はファミリー層であり、実際、想定通りの客層が来店しています。

 一方で、有楽町店は256㎡と丸井の2倍近くの広さがありますが、出品区画は同じ100区画です。大きな違いはエクスペリエンスルーム区画が3つ(Google、カインズ、開店当初のみLOVOT)あり、FABRIC TOKYOとコラボしたことでSTAMPの3Dスキャンボックスがあることです。



 なお、b8taの日本店舗においては、スタッフの制服としてSTAMPのジーンズが採用されていました。
 
左から、FABRIC TOKYO代表取締役社長 森雄一郎氏、ベータ・ジャパン カントリーマネージャー 北川卓司氏、スタッフ(b8ta Tester)

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