ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #37
なぜコンビニに猫草!?「1次商圏重視」店舗は、場に合わせることが重要【場に合わせる店、場を作る店②】
2021/06/28
ローソン入口すぐに、無印良品の猫用商品が!
前回(あるローソンを繰返し視察する理由:場に合わせる店、場をつくる店①)は、無印良品の商品を取り扱いはじめたあるローソンについて書きました。
私はその「ローソン久が原一丁目店」に入店した際、入ってすぐの場所にカゴ陳列されていた商品を見て驚きました。なんと、無印良品の「猫草栽培セット」が置かれていたのです。
正式な商品名と使用イメージは、以下のWebサイトの通りです。
2020年6月に視察した際には、置いていなかったと記憶しています。「猫草栽培セット」は無印良品のロングセラー商品ではありますが、置いているのは都内では3割程度です。まして、面積の限られるコンビニエンスストア内の「無印良品コーナー」では置かれなかったのでしょう。
筆者は可能な限り、さまざまな店舗を見るようにしており、今までに何百店舗のコンビニエンスストアに行ったかわかりませんが、「猫草栽培セット」を置いてあるのは初めて見ました。
そして、小さなコンビニエンスストア内の超一等地で、通常はほぼ置いていない「猫草栽培セット」を売っているということに衝撃を受けました。
取り扱いの経緯は不明ですが、おそらくヘビーユースしているお客さまから取り寄せて欲しいという声があって、実際に扱ってみたら売れたので、目立つように陳列したということかと思います。
小売の経営者の多くは「地域密着」という言葉を使いますが、実際にはこういった商品を扱うことは極めて稀です。「狭いから」「売れるかわからないから」「ふつう置いていないから」「卸に扱いがないから」「利益率が低いから」…やらない理由はいくらでも思い浮かびます。