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リテールから考える「マーケティングの本質論」 #04

知らないと損する「ゴールとプロセス設定」の効果的な使い方【コメ兵 藤原義昭・後編】

重要なことは、やりきること

 「何だ、こんなことか」と思われた方もいるかもしれませんが、実はこの管理者の頭の中にある当たり前を仕組み化して運用していない企業が多いと感じます。施策は正しい実行ができて、初めて成果につながります。

 私自身は2000年からEC事業に取り組み、現場(売り場)では販売員の販売スキルに頼ることが多く、顧客との接点で仕組み化されていません。実はECの運用では当たり前に行っている数値管理をリアル店舗の場に活かせないか?と考えたのがこの仕組の始まりです。

 そして、売り場は生きていますので、常に変化していきます。ひとつの商品が売れるまで商品、MD、販売員、天気など変数が大きいため、月初から月末までの売上を推測してゆくのは非常に難しくなってきています。
 

・人がやることは必ず感情を考慮する


 施策は人が動いて初めて結果が出ます。いくら数値を計算したところで行動できなければ、その計画はゴミです。現場のスタッフが実際に動くことは、感情に訴える必要があります。スタッフもお客さまも生身の人間で、感情を持っています。

詳しくはこちら『あなたのマーケティング策が失敗する、たった一つの理由』で記載しておりますので、お読みいただけたらと思います。今後、店舗はAI、IoTなど様々なテクノロジーが入ってくるのは誰でも想像できますが、まだまだ人が支配する空間であることは間違いありません。AI時代に向けて今店舗でできることを足固めするべきです。
 

・顧客との連続した関係性を考慮する


 今回、ご紹介した方法は、顧客接点上のCXについては触れていませんが、商売はお客さまに愛されてなんぼです。お客さまを理解して顧客に愛される体験を同時に提供しなくてはいけないことを忘れないでください。

 ただし「お店では放っておいてほしい」などに代表されるお客さまから口からでてくる言葉と本当の考えとは、違うことがあります。そして、後編の冒頭で話したパーチェスフローは、アンモナイト型と書いた通り、顧客との関係性は連続しており購入後も続きます。

 今回、購入後のフローまでは書いておりませんが、実際はこの購入後も数値計測を行いGAPを管理しなくてはいけません。当然、店頭だけで解決できなくなりますので大掛かりになってゆきます。
 
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