関西発・地方創生とマーケティング #34前編
著名マーケティングイベントで3年連続1位を獲れたプレゼン技術とは? 【BICP代表 菅恭一】
2022/04/06
効果的なプレゼン、3つ目のポイントは?
③ 普段考えていることを、伝えていますか?
その時のイベントのテーマに関して、普段から考えていることを話すのだそうです。例えば、そのときのテーマが「パーパス」であれば、そのパーパスについて現時点での自分の思いを伝えます。
だから、ゼロから話す内容を考えて、場合によっては、そのために調べたことを覚える必要もないわけです。調べたことをきちんと話せるだろうかと気になると、緊張して上手く話せないことがありますよね。でも、普段考えていることの中から、その時のテーマに合ったことを話すので、緊張することはないそうです。
今回、プレゼンのポイントをお聞きしましたが、私はてっきり話すスピードや事前の準備などのテクニック(HOW)の話が出てくるのかと思っていました。だけど、そうではなく、他のスピーカーと比べたときの自身のポジションと内容(WHAT)、そして誰に(WHO)向けて話すのかを意識することが大切だということでした。まさにマーケティングですね。
そして、あえてコツ(HOW)についてもポイントを伺ったところ、次の3つを教えてくれました。
- 読み文はつくらない
- スライドは読まない
- 同じことを説明するのに、違う言葉は使わない
さらに、ランスルーはプレゼン当日の朝に初めてするそうです。私は、前日までには何回も練習して、持ち時間ちょうどの内容にまで完璧に仕上げて、当日に臨むのだろうと思っていたのですが、そうではなくて登壇する寸前まで、話す内容を練るのだそうです。
その場の空気、それまでのセッションの内容や参加者の反応などをみて、ギリギリまで修正するのだということでした。
そのプレゼン力は、いつどのようにして身についたのか?
菅さんは、前職の朝日広告社でデジタル局長をしていました。当時は、まだまだマス広告が全盛でデジタルの売上は、電通や博報堂でも数%だった時代です。菅さんは、マスメディア中心の伝統的な広告代理店の変革を志し、時には社内の対立構造に苦労しながらも、同社でその比率を1%から10%へと引き上げました。
そのころ、優秀な人材を集めて組織をつくっていくために、社長をはじめ役員と組織改革から人材登用まで議論を重ねたそうです。そうした経験を通して、自分が考えていることの価値をどう伝えると、相手に気持ちよく聞いてもらえるのかを考えるようになりました。まさに、その時の交渉がプレゼンそのもので、今に繋がっているのかもしれません。
私も今度、プレゼンする時は、ターゲットを一人に決めて、その人に向けて、その人に向けた話をしてみようと思います。まあ、そう上手くいくかどうかは、分かりませんが(笑)。
※後編「マーケティングでもキャリアでも、大切なのはポジショニング【BICP 代表 菅恭一】」に続く
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