「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #04

ダイレクトマーケティングにおける、カスタマージャーニーの使い方【ペンシル 倉橋美佳】

前回の記事:
通販ビジネスにおける重要キーワード「SFO」を知っていますか【ペンシル 倉橋美佳】

カスタマージャーニーの2つのメリット

 今回は、「カスタマージャーニー」について紹介します。

 カスタマージャーニーとは、顧客が注文や申込など、コンバージョンに至るまでのジャーニー、つまり行程や行動、感情などのインサイトをステップ毎にマッピングをすることを言います。



 この作業を行うことで、ステップ毎の課題を洗い出し、解決策を導くヒントを整理することができます。

 通販では、初回購入は入口に過ぎず、何度も購入してもらい、利益をつくるビジネスモデルなため、このジャーニー(行程)において、顧客が何を感じ、考えているのかを考察して、それに対応したコミュニケーションを設計していくことが必要となります。

まずは、カスタマージャーニーをつくることのメリットを考えます。
 

① 顧客のことを考える機会になる


 お客さまが何を考えて、何を感じているのかを明確にするためには、まず顧客を知ることが必要です。

 顧客のことは、いつも考えていると思っていても、深く理解できているかというとなかなか難しいものです。

 特に通販は、お客さまの消費行動やそのきっかけを間近で見ることができず、また、データベースマーケティングの思考が主流となっているため、顧客をデータとして扱いがちなのです。

 カスタマージャーニーを作成し、じっくりと顧客と向き合うことで、日々の施策を見直すことが可能になります。
 

② マーケティング担当者間でのコミュニケーションツールとして使える


 通販の場合、商品開発から新規マーケティング担当、コンタクトセンター、フルフィルメント担当、既存顧客対応担当など、様々な部門が顧客に対して関わっています。

 そのため、部分最適になりやすく、顧客への体験の一貫性が損なわれる可能性があります。カスタマージャーニーを作成することで、他部門が担当している領域への理解が深まり、また、施策内容の検討により、顧客に一貫したサービスの提供が可能になります。
 
絵・倉橋 美佳
 カスタマージャーニーは、顧客のためにも、チームのためにも有効な存在なのです。なお、カスタマージャーニーをつくる際には、ペルソナの設定から入りますが、今回は行程とコミュニケーション設定の整理のためのジャーニーづくりということで、省略しています。

では、このカスタマージャーニーは、どのようにつくればいいのでしょうか。次からは具体的に考えてみましょう。

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