ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #58

ドラッグストア跡地に出店する北海道スーパー「DZマート」に注目すべきこれだけの理由

 

まずは「立地」を考察する


「DZマート 岩見沢大和店」の向かいにある「岩見沢大和タウンプラザ」には、北海道スーパーマーケット3強の一角であるアークスグループが運営するディスカウントストア「ビッグハウス岩見沢店」があります。

 他にホームセンターとしてDCM、ドラッグストアとしてツルハ、ユニクロ、西松屋、ゲオ、ダイソーなど主要な業態が揃っており、商業施設面積1万8587 m²の利便性が高いショッピングセンターです。
  

 また、徒歩10分ほどの場所に商業施設面積1万6484 m²のGMS「イオン岩見沢店」があります。実際に行ってみると、両者を隔てる国道12号線の交通量が多く、平日にイオンとビッグハウス両方を買い回る生活者はそう多くない印象でした。どちらも主要な業態を網羅しており、片方に行けば、事足りるわけです。

 札幌から現地に向かう途中に、この近辺ほど商業施設が密集した地域はなく、2次商圏(週単位で来店する範囲)は、半径20kmくらいありそうな印象でした。

参考:なぜコンビニに猫草!?「1次商圏重視」店舗は、場に合わせることが重要【場に合わせる店、場を作る店②】
 

レジ開放を客が依頼する


「DZマート岩見沢大和店」は約300坪のコンパクトなスーパーマーケットです。
  

 木曜日の昼下がりに視察したところ、視察中の店内客数は12~18人で、従業員はレジ担当1人、売場の補充等担当が1人でした。

 レジはセミセルフレジで、スキャンする場所は2箇所、支払端末は4台という構成でした。常時開けているレジは1箇所で、混雑時にもう1箇所を開放するスタイルです。

 他で見たことのない仕組みとしてレジ前に店員呼び出しボタンがあり、「レジに列ができた時はこちらのボタンを押してください」と書かれていることです。

 レジ開放のマニュアルは各企業で異なります。店員の自己判断に任せるだけの小売業が多く、「○人目が並んだら呼び出しボタンを押す」、○人目が並んだらに加えて、一定以上の時間がかかりそうな具体的ケースなら…」という具合です。

 来店客にその判断を任せるというケースを初めて見ました。しかしながら、レジ待ちの許容度は一人ひとり違うので、これは合理的な仕組みと言えるかもしれません。

※次回に続く
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