ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #60

イオンのセルフレジ「レジゴー」利用客の客単価が高くなる2つの理由

前回の記事:
小商圏でも利益を出せる北海道「DZマート」は、今後求められる小売業の姿かもしれない
 

カートを使うと客単価が増える


 先日、岡山放送(OHK)のアナウンサーさんから取材を受け、セルフレジについてコメントする機会がありました。内容はイオンがセルフレジ「レジゴー」を導入したところ客単価が約1.3倍になったようで、その理由を明らかにしたいというものです。イオンへの取材だけでは、不明瞭だったそうで私に声がかかりました。YouTubeで公開されていますので、ぜひご覧ください。
 

 レジゴーについて簡単に説明しましょう。イオンが展開するシステムで、店頭で借りられる専用の端末機器か「iAEONアプリ」をダウンロードした自分のスマートフォンを使用します。4年前に始まり、現在全国で300店舗以上に導入されています。

【イオンリテール】「レジゴー」展開店舗が300店を突破

 その特徴は、商品を買い物カゴに入れる都度スキャンするという仕組みです。出口にある専用セルフレジでは、スキャンが終了した状態で支払いだけを行います。結果として、レジ待ちの時間がほとんど発生せず、時間を有効に使えます。

 レジゴーを使うことで、客単価が上がる理由は主に2つあります。

 1つ目は、レジゴーの端末を置くことができる買い物カートを使う率が圧倒的に高いことによる影響です。次のレジゴーの使い方動画を見てください。
 
【公式】レジゴーの使い方
 
 カートを使用することで、両手が塞がらず重さを感じにくくなります。これにより、来店客は店内をより自由に動き回ることができ、結果として店内滞在時間が増加します。滞在時間が長くなれば、自然と目に入る商品の数も増え、「ついで買い」の機会も増加します。

 また、重さを気にせずに買い物ができるため、普段なら躊躇するような重い商品や大容量商品も気軽に購入できるようになります。これらの要因が相まって、買上げ点数の増加につながっているのです。

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