営業とマーケティング、融合の秘訣 #05

「マーケティングと営業の連携」で越えなければいけない4つのハードル【日本KFC 小山典孝】

前回の記事:
勝てるオペレーションマーケターの資質とは?【日本KFC 小山典孝】

営業と共創するために超えるべきハードル

 マーケティングがどんなに良い企画をつくり出したとしても、社内の同意が得られず、実際に顧客に提供されなければ、ブランドの体験価値は生まれません。実現に向けての高さや構造は企業によって異なりますが、いざ立案した企画を実行に動き出すと「組織の壁」がハードルとなります。では、営業と共創していくために超えるべきハードルとは何でしょうか。


 

・第1のハードル「意識」


 新たな企画をチャレンジするためには、営業が普段から慣れ親しんでいるからといって、統計や目標などの数値を並べるだけでは不十分です。営業は数字のつくり方を知っている分、見る角度を変えれば、いい意味でも悪い意味でも数字は操作できるものだと理解しているため、信憑性を疑われかねないのです。現状のままで良いというマインドを払拭できる強い印象こそが必要なのです。現状だけでなく、最悪の場合どうなるのかなど、現場の体験で置き換えられる情報を提示することが必要です。
 

・第2のハードル「資源」


 「ない袖は振れない」ものです。たとえ、カネ(予算)があったとしても、企画や案件に投下すべきかどうかは慎重になります。それはヒトも同様です。KFCで言えば、店舗の従業員ができる範囲の負担増なのか、営業幹部の判断が必要です。モノは計画に基づいて調達可能な数量、納期、納品価格を事前に確認する必要があります。
 

・第3のハードル「現場の士気」


 営業のキーパーソンは、役職者だけではありません。社内規程などで必要なプロセスはありますが、あくまでプロセスです。店舗の従業員の士気を高められるポジションが、本当のキーパーソンです。

 KFCで言えば、店長です。本部サイドのメンバーが企画の目的や施策を知っているだけでは、必要条件を満たしたに過ぎません。企画を実行することへのモチベーションを現場の組織に浸透させた上で、目標値との乖離(予実・KPI)を管理すべきなのです。

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