営業とマーケティング、融合の秘訣 #05

「マーケティングと営業の連携」で越えなければいけない4つのハードル【日本KFC 小山典孝】

必ず出てくる障害となる人物への対策

・第4のハードル「障害人物」


 組織間の駆け引きや反対勢力の抵抗によって、企画実行が頓挫することは誰もが経験していることです。企画を固める前に率直な意見を述べてくれる協力者を得ておくことが大切です。特に現場を経験していないマーケターは、特に必要と言えます。そして、率直な意見とは賛成ばかりではありません。条件付き賛成や、ときには反対意見も出てきます。役職や職務スキルではなく、自分が向き合える方が良いでしょう。

 私の場合、数名の店長や社員と不定期に気楽にマジメな話をすることにしています。その中で、ヒアリングし、現場感を確認しているのです。本部の幹部がムリだと言っていることでも、背景や目的を説明した上で会話すると、現場の店長は「やれると思います」と力強いコメントをもらうこともあります。翌日の営業幹部との打合せでは、心の中の大きな後押しになります。

 マーケティング企画を成功させるためには、これらのハードルを順序良く、且つ期待されるスピード感で乗り越えていく必要があります。



 そのためには、関連部署と調整しながら、組織全体で協力を得ていくことが大切です。中核となるマーケティングと営業の役割や違いを理解した上で、お互いを機能させることができるポジションが必要です。それが私の提唱する「オペレーショナルマーケター」という役割です。このポジションが機能することにより、必ず売上アップにつながり、収益性の向上に結びつきます。

 何よりもマーケティングと営業部門のより良い連携を進めるためには、両者が顔を合わせる機会を積極的につくることもオススメです。最初は月1回だけでも、オペレーショナルマーケターを中心に顔を合わせて意見交換する定例会を開いてみてください。

 まずはお互いを知ることで、データに込められた思いや考えが読み取りやすくなってきます。こうした取り組みで、部門間の連携がぐっと深まり、マーケティング効率を高めて、高い成果を生み出しやすくなります。

 これらのプロセスを支えるためには「論理性」「実現性」「納得性」、そしてジレンマを超えていく「胆力」が無ければなりません。これこそがオペレーショナルマーケターに必要不可欠なスキルなのです。
 
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営業とマーケティング融合の秘訣とは?【最終回・日本KFC 小山典孝】
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