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リテールから考える「マーケティングの本質論」 #06

「可処分時間」の奪い合いが、小売業でも起きている【コメ兵 藤原義昭】

前回の記事:
認知バイアスから逃れて、後悔しない「大切な意思決定」をするための方法【コメ兵 藤原義昭】

ショッピングにかける時間

 「あなたは、週に何時間、街に出かけてショッピングしていますか?」

 突然ですが、考えてみてください。

 サンケイリビング新聞社の女性向けメディア「シティリビング」会員への調査では、平日退社後の約半数が週に1回または2回、休日には半分以上が月に1回または2回ショッピングに行くそうです。さらに、ショッピングにかける時間は平日1時間、休日2~3時間ほど。調査対象がオフィスで働く女性が中心のメディアの会員であるため、特にショッピングに積極的なのでしょう。
 

Q.平日・休日それぞれ、1回のショッピングにかける時間を教えてください。

(平日n=557、休日n=576)

Q.平日の退社後にショッピングに行く頻度を教えてください。

(n=715)

出典:シティリビング メール会員に対するWEBアンケート
https://www.sankeiliving.co.jp/research/ol/140.html
 現代は「可処分所得」の奪い合いから「可処分時間」の奪い合いになったということは、マーケティングに従事している人なら、当たり前に意識していると思います。

 1日の時間の使い方は、仕事をしている人であれば、5~8時間ほど睡眠に使い、残りを仕事、朝食、身だしなみ(準備)、通勤、昼食などに10時間以上は使っています。そうすると、一人が1日で自由に使える時間は3~4時間程度になります(精緻な1日の時間の使い方について知りたい方は、総務省「社会生活基本調査」をご覧ください)。

 こうした調査を見ていて面白いのは、ショッピングでよく行くエリアの項目です。比較的多いエリアは銀座、有楽町、丸の内です。そして、これらは全て徒歩圏内です。このことを前述したショッピングにかける時間と掛け合わせて考えると、消費者の「効率的にショッピングしたい」という気持ちが見えてくるのではないでしょうか。

 例えば、休日に銀座周辺でショッピングするとして、午前中に商業施設を1軒周り、昼食後に他の商業施設や街中のショップを回ってカフェに並びながら休憩すると、それだけで夕方になります。その限られた時間を考慮すると、これらの商業地区に出かけることが消費者にとって合理的で自然な行動であることが分かります。



 可処分時間の取り合いは、ニュースサイトやゲームアプリなどのデジタルサービスに限った話ではなく、小売業界にも急激に関係してきています。

 例えば、良い商品を買えるアパレルショップでも、その店内の試着室がいつも混んでいれば、限られた時間で買い物がしたい消費者は、そもそも来店さえしてくれなくなるかもしれません。

 リアルな店舗での買い物は、スマートフォンを使ったスキマ時間での時間消費とは違って、ある程度まとまった時間が必要なため、「行くのをやめる」という判断になってしまいます。
 

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