「今だからこそ」ダイレクトマーケティング基礎講座 #07
メーカー通販の違いって何? DtoCの定義から大事なことが見えてくる【ペンシル 倉橋美佳】
2018/12/03
「DtoC」の重要性とメーカー通販との違い
では、改めて、なぜDtoCが重要なのでしょうか。EC市場は伸びており、ありとあらゆるものが購入できるようになりました。Amazonや楽天などのプラットフォームで検索をすれば、似た商品がずらりと並び比較検討できます。
顧客が商品を選択する際に、価格で競合することも多くなります。ユーザーに商品の特徴を理解してもらい、また価格に負けない優位性を保つためにはどうすればいいのか。そこでDtoCが生まれたのではないかと感じています。
しかし、いわゆるメーカー通販も自社で商品を企画・開発し、ダイレクトに販売をしています。大きな違いは何でしょうか。
私が考える大きな違いは「顧客との関係性」にあると感じています。
メーカー通販の場合は、特有の成分や得意分野の研究を組み合わせて、独自の製品をつくり上げています。それ自体はとても素晴らしく、技術開発力のある日本の誇るべきビジネスだと思っています。しかしながら、これらは制約でもあり、プロダクトアウトになってしまうこともあり得るわけです。
DtoCでは製品そのものではなく、その先にある体験・コミュニケーションを含めた世界観がプロダクトになっていると感じています。購入する過程から始まり、購入後の体験、ソーシャルでのシェアもすべてがプロダクトであるという考え方は、いま通販ビジネスをする上で大事にしないといけないことだと思っています。
ECが中心だからこそできることをうまく組み合わせ、顧客体験を生み出していくという工夫は、どれだけプロダクトが強い企業であっても、大事にしないといけない考え方です。
最近、顧客が求めるものは、プロダクトの先にある体験も含まれるブランドなのではないかと感じる機会が多くあります。課題を解決する・解決してくれる信頼感がある。また、企業の哲学に共感を感じ、支援をしたいと思う。
そういった思いがより加速し、広告宣伝や流通ではなく、ダイレクトにメーカーとつながりたいという考え方が形成されているのではないでしょうか。
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