PHOTO | 123RF
[Agendaスペシャル] スポーツ・スポンサーシップの幸福なカタチを探る #03

<スポーツ・スポンサーシップ最前線>目的の明確化とPDCAサイクルが鍵【前編】

スポンサーシップでもPDCAサイクルが重要

 目的を明確化すれば、次はその効果を最大限まで高めたいと考えるようになります。

 そのために必要となるのはPDCAサイクルです。目的からKPIを設定し、戦略を立てて実行して、その後に効果測定で結果を数値化する。通常のビジネスと同様、スポンサーシップでも、このサイクルを繰り返し回すことで効果を高めていきます。

 効果測定の方法は、目的によって自ずと決まってきます。例えば、売上へのインパクトを測定するのであれば、ブランドの認知者がどれほど増加し、そのうち何パーセントが購入を検討し、さらにそのうちの何パーセントが実際の購入に至ったのか。その結果から、売上目標を達成するためのコストが算出できます。

 スポンサーシップの効果測定では、いかに従来ビジネスのKPIのフレームワークにスポンサーシップの要素を入れ込み、自社の既存データと融合させながら効果測定するかによって、PDCAサイクルの質の向上につなげていくことができます。
 
スポンサーシップにおけるPDCAサイクル案(例)
(出典:ニールセン スポーツ ジャパン)

 PDCAサイクルを回す中で事業が成長し、目的が変化すれば、それに合わせてスポンサーシップのあり方も変わってきます。

 例えば、ライフサポートを行うグローバル企業のエーオンは、英国のマンチェスター・ユナイテッドのメインスポンサーを降り、代わりに同クラブのトレーニングセンターのネーミングライツを取得しました。

 その背景にあったのは、ブランド認知が同国で9割以上を超えた一方で、何をしている会社なのかが理解されていなかったということ。そこで、目的をブランドの認知拡大から事業内容の理解に切り替え、トレーニングセンターを利用している選手やスタッフのライフプランナーとなりました。

 そして、有名選手のライフプランナーであることを訴求することで、何をしている会社なのかを伝えようとしたわけです。

「スポーツマーケティングアジェンダ」開催決定
スポーツは企業のマーケティング課題をどう解決できるのか。
日本コカ・コーラ、プロ野球、Jリーグ、Bリーグのキーパーソンが登壇。
詳細はこちら
Sponsored

続きの記事:
東京五輪・FIFAワールドカップのスポンサーシップで、効果を出すために必要なこと【後編】
他の連載記事:
[Agendaスペシャル] スポーツ・スポンサーシップの幸福なカタチを探る の記事一覧
  • 前のページ
  • 1
  • 2

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録