マーケティングの現場から考える「5年後の実際」 #05

【提言】 次世代マーケターに求められる5つのスキル

前回の記事:
テクノロジー先行か、課題先行か。優秀な店舗スタッフの「AI化」が頓挫した理由から見えたこと

価値ある努力と無駄な努力

 英会話スクールに通うつもりはない。それよりも、来たる自動翻訳の時代に備えて美しい日本語を使うように心掛けている。英会話スクールは専ら実用から趣味、或いはソロバンのように脳トレのジャンルになるはずだ、という苦しい言い訳で英会話学習を先延ばしにしている。

 今の時代、旧来のやり方に自らをアジャストしている間に、旧来のそれが消えている可能性がある。潮流を読み違ったときには、それこそ無駄な努力になるかもしれない。近い将来に起こりうる変化を見越してアジャストする必要があるのだ。

 しかし、旧来のやり方に疑問を持たず型にはまった行動を続け、そうして培ったスキルがあっさり役に立たなくなるリスクのほうが高そうだ。

 マーケターとして真に価値ある努力とは何か、今考えておくことの重要性は増している。


 

未来の変化にアジャストせよ!

 「未来の変化にアジャストせよ!」

 これを次世代を牽引するマーケターにメッセージとして送りたい。そう語る背景には、マーケターを取り巻く環境の劇的な変化がある。

 今の時代、マーケターと呼ばれる人は気の毒なほど大変だ。データとシステムが広範囲に渡ってインテグレーションされてしまった。オフラインを含むクロスメディア・クロスチャネルといった領域にもデジタルによる可視化の波が押し寄せた。

 縁遠い部署だったCS(カスタマーサポート/カスタマーサクセス)との接続が顧客体験として重要視されてきた。さらにAIやIoT、強力なプラットフォーマーの出現などに対し、自社文脈としてどのように理解していけばいいか、自らの意見を主張していくことが求められている。

 「時間がいくらあっても足りない・・」

 そう嘆きたくなることはないだろうか。あらゆるレイヤーの同時多発的な進化と統合が進むほどに複雑さは格段に高まる。さらに変化のスピードが指数関数的に増している。このような環境下では、優秀なマーケターには極端に仕事が集まり、マーケターの間にも格差が拡がっていく。

 足元の複雑かつ急速な変化に対応できるだけの力があるならば別だが、時間も能力も限られていれば戦略的に向き合う必要がある。そこで、未来の変化にアジャストするために、私なりに半歩先を見据えたスキルを5つ挙げてみた。
 
 <次世代のマーケターに求められる5つのスキル>
 ①    フレームワークの脱構築スキル
 ②     社会インパクトドリブン
 ③    作家性による統合スキル
 ④    改めて、市場というものへダイブする勇気
 ⑤     機械へのお膳立てスキル

 これらのスキル(心構え的なものも含めて)は、私が経験してきた世界の狭さゆえの偏見が多分に含まれている、そして教科書的に全体を体系化していない点は許容いただきたい。

 では、さっそく紹介していこう。
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