新・企業研究 #05

JWTとWunderman 日本法人が合併、北島CEOと新沢CCOが語る「日本で勝てる要素」

前回の記事:
アイデアからクレバーな仕掛けが評価される時代へ。レイ・イナモトが語る「日本の強みと弱み」
 外資系エージェンシーであるJ. Walter Thompson(JWT)とWundermanの日本法人が合併し、WT Tokyo(Wunderman Thompson Tokyo)が誕生することが9月2日、発表された。CEOに就任する北島広宣氏(前 J. Walter Thompson Japan マネージングディレクター)と、チーフクリエイティブオフィサーに就任する新沢崇幸氏(元 TBWA\HAKUHODO シニアクリエイティブディレクター)の2人に合併の背景から今後のビジョンについて話を聞いた。
 

データに強いクリエイティブ・カンパニーを目指す

北島広宣氏(右)、新沢崇幸氏(左)。

——J. Walter Thompson Japan(JWT)とWunderman Japanが合併し、WT Tokyo(Wunderman Thompson Tokyo)となりました。まずは、その経緯から教えてください。

北島 我々はグローバルエージェンシーネットワーク、シンプルにグローバルで合併したので日本でも一緒になったということです。JWTはブランディングとクリエイティブに、Wundermanはデジタルマーケティングにケイパビリティを持っています。その両方を強くすることが合併の目的です。
WT Tokyo CEO 北島広宣 氏 2009年日本大手広告代理店からJWT入社、2012年JWT MDに昇格。合併を機にWT Tokyo CEOに就任。ユニークな日本マーケットの広告業界で自動車、保険、スポーツ、消費財など様々な業種において25年以上のキャリアがあり、Branding、IMCコミュニケーション、デジタルマーケティング、フィールドマーケティングの経験をもつ。 強いリーダーシップで日本オフィスの成長をリードしている。

——合併が発表されたのは、去年10月です。日本での発表がこのタイミングになったのは?

北島 2月に米国・ニューヨークの本社合併を皮切りに各国の状況に合わせて3つのフェーズに分けて進めています。日本は比較的早く、2つ目のフェーズでした。

——グローバルで合併した狙いについて、もう少し詳しく教えてもらえますか。

北島 ご存知の通り、エージェンシーの役割は大きく変化しました。特に欧米は変化が早く、クライアントからテレビCM制作といったクリエイティブワークよりも、コミュニケーション領域全体のコンサルティングの要素を強く求められるようになっています。

さらに、データの使い方も変わってきました。単なる数字ではなく、人を正しく可視化できる存在として捉えられています。そうした変化の中で、我々のケーパビリティであるクリエイティブも時代に合わせて変化させていく必要があったと考えています。

——データを活用したコンサルテーションが重視される中で、クリエイティブのあり方を見直している、と。

北島 そうですね。グローバルから言われているのは、クリエイティブとデータテクノロジーの双方に強いエージェンシーを目指すということです。そうしたエージェンシーは、これまで存在していなかったと理解しています。

——合併によって社員数は、どうなりますか。

北島 グローバルではJWTの約1万人とWundermanの約1万人の合併で、合計で約2万人になりました。日本ではWT Tokyoによって300人近い組織になりました。

——グローバルと日本の比率は違ったのでしょうか。

北島 日本のマーケットは、まだまだテレビCMが主流ですし、クライアントが一番求めているニーズもデータではなく、アウトプットとしてのクリエイティブです。そうなると必然的にJWTの人数が多くなったように思います。私がJWTをマネジメントするようになって7年が経ちましたが、この間に社員数は倍以上になりました。

——どのようにスタッフを7年で倍にできたのでしょうか。

北島 我々はエージェンシーネットワークの一員ですので、グローバル企業の日本展開をサポートする業務を担います。ただし、ご存知の通り、十数年前から日本はメンテナンスマーケットと呼ばれ、日本よりも中国などが優先されています。

そうした状況をただ受け入れるだけでは、規模は縮小するだけですので、独自に日本企業との取引を増やす努力をしてきました。JWTが強かったブランディングを軸にコンサルティングを強化し、その結果として大手日用品メーカーや航空会社などと新たにお付き合いさせていただいています。

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