顧客基点の「ソーシャルメディア戦略」 #09
人気お笑いコンビ「コーンフレークネタ」で話題。Twitterでバズると、売上に影響を与えるのか
人はどうして「バズり」を求めるのか
「風間くん、ちょっとこの商品をバズらせてよ!」
SNSアカウントを開設し、試行錯誤を重ねつつも運用がある程度軌道に乗り、その効果が社内でも浸透することで、こんな依頼を頻繁に受けるようになった。
同じ経験をされているSNSアカウント運用担当者の皆さんも多いのではと想像するが、こういう声がかかることは嬉しくもあり、悩ましくもある。
バズり、バズる、バズらせる。
小売業であれば、「投稿がバズる→来店客数が増える→売上が増える」「投稿がバズる→ECサイトへの流入数が増える→売上が増える」という結果を理想像として描くのだろうが、果たして投稿がバズることは売上を押し上げる成果につながるのだろうか。
M1グランプリ × SNS
昨年末のM1グランプリ優勝コンビ、ミルクボーイ。決勝のファーストステージで披露したコーンフレークネタを受け、ケロッグ公式アカウントが放ったツイートは、4万リツイートを超える“バズり”ツイートとなった。
ミルクボーイの持ちネタにコーンフレークがあることを担当者の方が知っていたのかどうかは存じ上げないが、投稿時間を見ると午後10:35分。これぞ「タイミングを捉えた」投稿のお手本だと言える(前回記事 参照)。
さらには翌日にコーンフレーク1年分プレゼントを発表し、ミルクボーイの方たちとケロッグ公式アカウントがTwitter上でそれについて会話を重ねる。Twitter Loverにとって、Twitterならではの楽しさと嬉しさしか無い光景が繰り広げられた。
そして各種報道によると、このM1グランプリを境に、ケロッグのコーンフレークの売上が大きく増加しているそうだ。SNS完結型ではなく、起点はテレビ、そこにSNSが話題の増幅の一端を担った構造ではあるが、SNSでバズる→売り上げ増の一事例として紹介させていただいた。