業界人間ベム #特別寄稿 #04
テレビ局が生き残るために、ベムからの7つの提言【最終回】
ベムからのテレビマンへの問い
⑤ 同時配信に積極的に取り組み、ローカルネットワーク体制維持に拘らない。=同時配信ではしっかり同意をとって視聴者とCMのマッチングを図り、効果的な広告商品をつくる。アドレッサブルCM(視聴者の属性に合わせて個別にCMを届ける)を開発する。
⑤は、まさにもう放送形式に拘らないということです。「放送事業者」ではなく「コンテンツ提供企業」として生き残ることが前提です。もしチューナーのない大画面テレビが普及しても生き残る算段をしておかなければなりません。
民放は同時配信ではCMを配信するつもりが分かりませんが、全国に配信していいCMばかりではありませんし、当然、配信専用のCM枠を設定して販売しないと意味がありません。これにどれだけ積極的に取り組むかで、デジタル化の意気込みが見えるでしょう。
⑥ 制作費を倍増させても回収できるモデルを確立する=放送CM収入や従来のコンテンツビジネスだけで回収しない「紙芝居モデル」開発(後で元を取る)。
⑥は、新たなビジネスモデルを注入することになります。従来のコンテンツビジネスの延長上ではなく、意外なサービスとの連結です。面白い「企て」はたくさんありますが、ここで開示するのは避けます(ここから先はさすがにコンサルとしてのビジネスですので笑)。
⑦ BS放送から撤退する。
最後は、刺激的かもしれませんが、テレビ放送による通販の効果は、どんどん低下するでしょう。広告主が売上に見合う番組制作費、波料で成立させていくのは難しいかもしれません。テレビ通販の購買世代がだんだんいなくなっていきますので…。
以上、7つの提言です。第1回でお話したように、ベムはテレビで育ってきたので、日本のテレビ業界がグーグルやアマゾンやネットフリックスに圧倒されてしまうことを望んではいません。
そして、このコロナ禍で危機感が出てきたことを、むしろ良かったと思います。少しずつ市場がシュリンクしてくると、まさに「ゆでカエル」になってよく分からないうちに取返しがつかない状況になってしまいます。本当に危機感を感じることで、今までのネットワークや制作体制や給与水準などをあきらめてでも、必死に生まれ変わることにチャレンジできるはずだからです。
最後に、テレビはデジタル放送していますし、同時配信も始めれば、まさに「デジタルメディア」なのです。テレビ局は「自分たちはデジタルメディア」だと認識する意識の大変革が必要なのです。テレビマンに質問です。テレビはデジタルメディアだと思っていますか?
「テレビよ、デジタルに変身せよ!」
終わり
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