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デジタルマーケティングで市場拡大を目指す #01

デジタルマーケティングの現状課題と、解決に必要な方向性の考察【ユーキャン 鳥羽 渉】

最適化のジレンマに陥る企業が増えている

 少し前まで、生活者向けマーケティング手法は、かなり大雑把に言いますと、アナログ・デジタルを問わず、ノンターゲティングで広告配信し、ブランドや商品特性の認知と好意を獲得し、リアル店舗やWebサイトで刈りとるモデルでした。
 
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 ここ数年はテクノロジーの進化で、年代・性別・職業・基本的嗜好というクラスタ別の配信や、自社サイトでコンバージョンした来訪者と、ネット上で類似の行動をしたオーディエンスへの拡張配信などが主流になっています。

 そこで課題となるのが「効率は上がったが、獲得数が減少しているのではないか?」「最初は効率も良かったが、結局は元に戻ってないか?」という規模拡大と精度向上のジレンマや、施策劣化の加速化です。これは、自社サイトでも同様のケースが起こります。

 サイト上でABテストを繰り返すほど、特定のターゲットに特化したサイトデザインや構成になり、メインターゲット以外の来訪者に忌避されてしまう、というケースです。

 もちろん、商品そのものが特定のターゲットに向けたものであれば、大きな問題はありません。ただし様々なターゲットに訴求したり、商品自体にデモグラフィック的なターゲティングが設定されていなかったりする場合(製品自体の問題かもしれませんが)、ABテストを実施すると、その中で一番反応の良いターゲットに合ったテスト案が勝つことになります。

 当初は、それでも大きな問題はありません。しかし、それが繰り返されることで、結果的には特定層のみに反応が良いサイトデザインになり、それ以外の層からは「自分向けではない」と瞬間的に判断されてしまうようになります。

 最適化も度が過ぎれば、ただの縮小均衡というわけです。
 

生活者視点での思考が重要になる

 マーケティングにおける課題を挙げさせていただきました。何だか当たり前の内容を言ってきたのかもしれませんが、施策提案を受ける際に、良いことばかり言われると忘れがちになるため、そうした際に「待てよ」と思い直すきっかけにしていただければ幸いです。

 冒頭で「解決の方向性」と提示しておきながら、それについては何も触れていませんでした。現段階でお伝えできるのは、これも当たり前ですが「自分自身を含めた生活者の視点と感覚を持って課題に向き合い、お客さまに喜んでもらうことを想像し、創造すること」ではないでしょうか。

 マーケティングの課題は、他にも「CPA基準の広告出稿の危うさ」「デモグラターゲットは効率的なのか」「認知を取る自社コンテンツは話題性だけで良いか」などが挙げられます。ただ、かなり長くなってしまいましたので、次回以降に、その課題と解決に向けた考え方を共有させていただきたいと思います。
 
続きの記事:
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