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デジタルマーケティングで市場拡大を目指す #03

「オーディエンス拡張は嫌い!」情報が入手しやすくなったからこそ考えたいターゲティング【ユーキャン 鳥羽 渉】

前回の記事:
データへの過信は禁物、広告効果測定への向き合い方【ユーキャン 鳥羽 渉】

デモグラターゲティングは正しいか? 

 ユーキャンの鳥羽渉です。現場マーケターがデジタルマーケティングの課題について考える連載3回目のテーマは、「ターゲティング」です。

 マスプロモーションで広く訴求すれば、老若男女がほとんど同じ商品・サービスを選択してくれていた時代から情報が多様化し、そうではなくなった現在。多くの生活者の中から、どのグループを商品・サービスがマッチする標的(ターゲット)とするか選択し、そのグループの特性にマッチしたマーケティング戦略を実施することが必要になっています。

 デジタルの普及によって、様々なタッチポイントで購買者の情報を得ることができるようになり、特に性別・年齢・住んでいる地域・所得・職業など人口統計学的属性(デモグラフィック)は比較的、容易に取得できるようになりました。
 
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 しかし、その状況をマーケティングに生かせているでしょうか。

 会員制サイトであれば、事前に登録してもらったデータからデモグラは確実にとることができますし、会員制サイトでなくともCV(コンバージョン)時に細かな情報を取得することで同様の情報を得ることができます。

 また、パブリックなDMPと連携すれば、自社サイト来訪前のウェブ閲覧行動から、デモグラだけでなく、趣味、嗜好などクラスタまで推測できるようになっています。

 当社でも、外部DMPのデータをもとに、自社サイト来訪時点でデモグラを推測し、そのデモグラに合ったコンテンツを出し分け、サイト回遊やCVR(コンバージョンレート)を高めるといった施策を実施したことがあります。

 しかし、思ったほどの効果は得られませんでした。

 施策を実施した段階では外部DMPの類推精度がまだ高くなかったこともありますが、そもそもデモグラによるターゲティングの考え方自体が適切ではなかったのかもしれません。
 

オーディエンス拡張は嫌い

 もちろん業種や商品によっては、デモグラや閲覧履歴、購買履歴などから詳細にクラスタを分析し、その中から自社サービス、商品に適合するクラスタを推定し、オーディエンスを拡張し広告を展開し、効果を得られることもあると思いますので、その施策そのものを否定する気はありません。

 ただ自社での経験として、閲覧や購買履歴を基準としたオーディエンス拡張で大きな効果を得られた経験がなく、あるセミナーで登壇の機会をいただいた際に、壇上で「オーディエンス拡張は嫌い」と言ってしまったこともありました(汗顔の至りです)。
 
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 ターゲティングに関して感じていることは、デジタルでお客さまの情報が得やすくなり、安易にターゲティングするようになったのではないか。

 結果としてデモグラなど取得しやすい情報でターゲティングをすることで、本来的な意味でのターゲティングとは遠くなっていないか、ということです。

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