デジマ女子部 スキルアップしたい女子デジタルマーケター大集合! #01

ユーザーの心をつかむUXとは?マーケター向けWebサービス改善の道すじ【デジマ女子部 レポート】

検証は本番環境でのABテストが近道

 次に抽出した課題の解決に取り組む。西岡氏は、「その前に課題が改善されたのかどうかを計測できる指標を決めておくことが重要」と語り、今回は、週次や月次のログイン率とログイン後に閲覧したページ数、製品やサービスに対するロイヤリティを測るネット・プロモーター・スコアの3つを指標とした。

 次に行う課題解決のためのアイデア出しについて、西岡氏は「顧客との接点があまりないエンジニアやデザイナーが多い場合、ワークショップをしても大きな気づきが得られなかったり、メンバーを集めて話し合う時間を取るのが難しいこともある。必ずしもチームで行なう必要はなく、一人でやってもいいと思っている」と語り、実際に同氏が一人でアイデアを出し、その過程を資料化してチームや決済者のコンセンサスをとったという。 

 抽出した課題に対するアイデアは、仮説に基づく部分が大きいため「検証のフェーズは挟んでいただくのがおすすめ」と話し、検証の際は、プロトタイプをつくるのもひとつの方法だが、Webサイトやアプリであれば、一度リリースした内容も変更を加えやすく、ABテストもできるとした。
 


 そのため、「本番環境に反映してしまい、ABテストを行うという方が検証しやすいケースもある。そもそもプロトタイプが必要なのかということを、一度立ち止まって考えるのがいい」と語った。

 「Juicer」では、西岡氏がペーパープロトタイプを10パターンで考えてから決済者やエンジニアと相談しつつ選定し、最終的にWebサイトに機能を実装してABテストを行ったという。検証では、ネットからターゲットユーザーを多数集めるのは難しいと判断し、仲良しの企業や身近な人などのうちターゲットユーザーに近い人に試してもらい、感想を聞いた。
 

オイシックス西井氏がマーケターの基本を語る

 対談を終えたあと、公開コンサルティングとして、西井氏が参加者からの質問に答えた。
 
西井 敏恭 氏
オイシックス・ラ・大地 CMT

シンクロ代表取締役。1975年5月福井県生まれ。2年半にわたる世界一周の旅行記を更新したWebサイトが大人気となり、帰国後はEC企業にてWebマーケティングに取り組む傍ら、旅行を続け、訪問した国は100カ国近く。Webマーケティングのプロとして「ad:tech」をはじめ全国で講演多数。

 「どのようにマーケティング力を身につけてきたか」という質問に対して西井氏は、「マーケティングは知識も大事だが、それ以上に実践が大事」と語り、英語学習になぞらえて、少しでも話せる言葉を実際に使って上達するように、「マーケティングも知識を取り入れて、実践することで得意分野を掘り下げていくと、自然にスキルの範囲が広がる」と、自身の体験も交えながら勉強法を示した。

 また、「予算がなくてもできるWebマーケティング方法」について聞かれ、「Webマーケティングに限定するならば、SEOとリスティング、アフィリエイトは基本として押さえるべき」と西井氏。DMPやVR、AIなどの新しいテクノロジーの活用は、基礎的なスキルを身に付けた上の、次のステップであると説いた。その一方で「集客だけがマーケティングではない」とも言い、「集客した後に、どうするかを中心に考えていかなければならない」と続けた。
 

 
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