デジタルマーケティングで市場拡大を目指す #06

ユーキャンのAI(人工知能)活用にみる、事業会社の「機械学習」への向き合い方【鳥羽 渉】

前回の記事:
cookieベースのターゲティングができなくなる状況は、マーケターにとってのチャンス【ユーキャン 鳥羽 渉】

そもそもAIって何でしょう

 現場マーケターがデジタルマーケティングの課題について考える連載6回目のテーマは、「AI(人工知能)」についてです。

 最近は、マーケティングツールだけでなく、家電なども含めてあらゆるサービスや製品で使われているAIですが、一般的な事業会社として、どのように向き合うべきでしょうか。

 残念ながら、自分も明確な答えを持っているわけではありません。むしろAIについて理解できていないかもしれません。ただ自身のAI検討やAIを使ったサービスの活用事例から、事業会社のマーケティング担当としての「AIへの向き合い方」を考えたいと思います。

 「AI=人工知能」という言葉は理解しているけれど、「機械学習」「ディープラーニング」との関係性などはよく分からない、という方が多いのではないでしょうか。

 もちろん自分もその一人です。マーケティングのカンファレンスでAIに関するセミナーに参加しても、語感から何となくイメージしているだけで、具体的な意味や目的の違いは、あまり理解できていませんでした。



 これらの違いについては、専門家の方が分かりやすく解説している記事がネット上にいくつもありますので、詳しくはそちらをご覧いただくとして、この記事では主に「機械学習」の活用について考えたいと思います。

「機械学習」はAIの研究分野のひとつで、主にデータを解析し、その結果から仮説などを得るための法則性を見つけ出す手法と捉えていただければと思います。
 

AIの効果に期待したけれど…

 事業会社の「機械学習」活用に触れる前に、私自身のAIとの関わりについて振り返らせていただきます。

 AIが話題になり、セミナーや記事で触れるたびに、たとえ自身に分析スキルがなくても、膨大なデータから獲得などに効果がある情報を自動的に見出してくれそう…といった希望に胸を躍らせたものです。でも何年か前に同じような希望を抱いたことがあるような。それは「ビッグデータ」とか言っていたような…といった既視感も感じていました。

 実際、いざAIの検討を始めると、AIを使って実現可能なことは多々ありますが、自身が実現したいことが漠然としていると、それを実現するための開発コストと労力に見合う成果が得られるのか、そもそも本当に使う必要があるのか、といった課題から検討は進みませんでした。

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