成果を出す「運用型広告」実現のための考察 #02

この記事内にリタゲ広告を入れたので「どのような広告に追いかけられているか」確かめてください【平野 裕亮】

前回の記事:
運用型広告の現状と、自動最適化への理解を深めるための考察【平野 裕亮】

どんな広告でしたか?



 前回の私の記事を読まれている、という前提での話になりますが・・・記事を読んでいるときに、どのような広告が並びましたか。編集の方にお願いをして、あえて記事内に大量の広告を入れてみました。

 デジタルマーケティング、ことに現場サイドの方であれば自社やその競合企業の広告、代理店の方であれば担当しているクライアントや同じくその競合企業の広告が目に付いたのではないでしょうか。

 その大部分はおそらく「リマーケティング/リターゲティング広告(以下、リターゲティング広告に統一)」でしょう。

 本記事にも、あえて広告を挿し込んでいますので、改めて「自分がどのような広告に追いかけられているのか?」を確かめていただければと思います。



 アジェンダノートの読者には、釈迦に説法ですが、リターゲティング広告について今一度のおさらいです。リターゲティング広告が表示される仕組みは、次の図の通りです。
 
図1:リターゲティングの仕組み

リターゲティング広告の仕組み

  1. リターゲティングタグを対象サイトに設置
  2. ユーザーが対象サイトに訪問
  3. リターゲティングタグが発火
  4. タグの発火を受けて、アドサーバーからユーザーのブラウザにCookieを発行
  5. ユーザーが(リターゲティングタグを発行した広告を配信している)サイトに訪問
  6. 訪問したユーザーのCookie情報が送られる
  7. Cookie情報をもとに広告が掲載

 リターゲティングタグを対象サイト(多くは自社サイトおよびサテライトサイト)に埋め込むだけで、訪問者を追走できる素晴らしいプロダクトですが、それゆえの欠点もあります。大きく分けて、次の2点です。
 

(1)リターゲティング広告を閲覧するユーザーとの接点設計を疎かにしがちな点

(2)「買おうとする意志をもったユーザー」にも配信してしまう点




 (1)は、言葉を選ばずに言えば、出しっぱなし&メンテナンスをせずに運用していませんか。リーセンシー、フリークエンシー、流入元などまできちんと見てますかという話です。

 リターゲティングはあくまで、「(リターゲティングタグを設置している)サイトの来訪者へ配信する広告」です。それ以上も、それ以下もありません。

 ダイレクト案件を例に挙げれば、リターゲティング広告のCPAは安価になりがちではあるものの、そもそもの来訪者の「質」=SEOや自社の広告による集客の「質」だからこそ成立する話です。

 ただ配信すれば良いというわけではなく、自社サービス/プロダクトに興味があるユーザーに行動を促すために配信するのか? より興味をもってもらうために配信するのか? 自社サイトに来訪したユーザーを「ふるい」にかけて配信する必要があります。

 もちろん、配信するためのリターゲティングリスト(リターゲティング対象ユーザー)の粒度が細かければ細かいほど運用効率が悪化するため、自動化と最適化を含めた配信と手動による配信を広告配信ベンダーに合わせて調整する必要があるでしょう。

 自動化/最適化は、配信ベンダーの機能性に委ねるため言及を避けますが、手動での場合、リターゲティングリストの粒度を「何を基準に設定するか」を考える必要があります。

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