最新ニュースから読み解く、物流とマーケティング #11

2030年の「買い物体験」はこう変わる!人は6つの技術による快適さから逃げられない

前回の記事:
コロナ禍で注文が殺到、オムニチャネル実現の重要キーワード「在庫引当」とは
 

EC通販を取り巻き、技術革新が起きている


 筆者は1981年のスクロール入社以来39年に渡り、EC通販業界に身をおいてきたが、常にデバイスとインフラの進化によって業界は変貌してきた。

 80年代を謳歌したカタログ通販は、90年代のテレビショッピング、2000年代のECの登場で衰退していった。そして、デバイスはPCからスマートフォンへと変遷し、通勤途中でも仕事中でも買い物が可能になった。

 今後のデバイスとインフラの進化、そして消費者の買い物行動がどう変わっていくかを予測することは非常に重要と言える。EC通販を取り巻き、さまざまな技術革新が起きているのだ。

 そこで今回は、次の2020年代におけるEC市場の変化を予測するうえで、大きな鍵となるインフラとデバイスを6つ指摘し、その後に10年後の2030年の架空の日常の生活風景を想像してみたい。
 

EC通販の未来を創造するインフラとデバイスの進化


 (1)5G(第5世代移動通信システム)

 2020年から実用化が始まった次世代の移動体通信システムである。これまでの4Gとくらべ「高速・大容量」「低遅延」「多数端末との接続」という特徴を持っている。

 「高速・大容量」という点では、4Gで2時間の映画をダウンロードするのに30秒かかったとすると、5Gではわずか3秒で完了する。

 「低遅延」では、データが送信されてから受信するまでの速度が1ミリ秒(1/1000秒)まで短縮される。4Gでは10ミリ秒だったので、10倍の速さだ。これにより自動運転や遠隔治療といった遅延の許されない現場での活用が可能となる。

 「多数端末との接続」では1km四方で100万台の機器と同時接続できるようになる。パソコン、スマホだけでなく家電や車といったものがインターネットと繋がるようになる。IoT(=Internet of Things)時代の本格的な始まりとなっていく。



 (2)IoT(=Internet of Things)

 さまざまな「モノ(物)」がインターネットに接続され、情報交換することで相互に制御する仕組み。これまでインターネットには接続されていかったテレビはじめ冷蔵庫、エアコン、自動車などがインターネットの接続によりデータ連携が可能となる。

 かつてはインターネットとの接続など考えられなかった時計は、アップル社のアップルウォッチとなり、アイホンと連携し、歩数や血圧などのデータを共有、記録できるようになっている。
 
今回の原稿は、10月22日発売の「EC通販で勝つBPO活用術」から一部抜粋している。詳細は、こちら(Amazon) 。
 

 (3)みちびき(準天頂衛星システム)

 GPS機能を使って地図を見ていると、誤差が出てしまっている経験をお持ちの読者は多いと思う。道の東側にいるのに、スマホの地図では西側にいるといった誤差だ。

 これは、現在のPPS衛星では都市部や山間部、障害物により、電波が遮断されてサービスの精度が落ちてしまうことがあるからだ。

 それに対して「みちびき」は、常に衛星の電波が受け取れるように、日本の上空を8の字を描いて動く軌道を持たせている。現在は4機の体制だが、2023年には7機体制で運用されることが閣議決定されている。
 
写真はイメージ。

 これにより、これまでのGPSで数メートルだった位置測定の精度を数センチにできるという特徴を持っている。田植え機の自動運転も可能となる精度となる。ドローン配達や自動運転車の応用が期待される。

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