伊東塾 in 北海道 特別対談 #02

物流革命で人が移動しなくなる未来、店舗の存在意義は? 吉野家 サツドラ対談

前回の記事:
商圏のニーズにどこまで応えるべきか。 吉野家 サツドラ エリアマーケティング対談
 P&Gにおいてグローバルのバイスプレジデントを務め、現在は吉野家 常務取締役の伊東正明氏による、実践を重視したマーケティング研修プログラム「伊東塾」の北海道・札幌での初開催が決定。

 それを記念し、北海道札幌市に本社を置き、地場に密着しながら最新テクノロジーを積極的に導入するドラッグストアチェーン「サツドラ」のサツドラホールディングス 代表取締役社長の富山浩樹氏と対談した【後編】。
 

ハレのショッピングは増え、ケの買い物は減る


伊東 インターネットやスマートフォンはじめ、革命と言われるほど生活を変えるテクノロジーが生まれています。私は次に生活様式を大きく変えるのは、AI単体よりも「物流革命」だと考えています。

今後、自動運転や5G、6G、7Gの時代になると、「ハレ(非日常)」と「ケ(日常)」で言うと、「ケ(日常)」に関しては極力、移動を減らすことになると思います。例えば、オフィスに行く必要は減るだろうし、日常のお買い物もECとごく近隣の店舗で済ませるようになるはずです。
伊東 正明 氏
吉野家 常務取締役

P&Gにてジョイ、アリエールなどのブランド再生や、グローバルファブリーズチームのマーケティング責任者をアメリカ・スイスにて担当。直近までヴァイスプレジデントとしてアジアパシフィックのホームケア、オーラルケア事業責任者、e-business責任者を歴任。2018年1月より独立、ビジネスコンサルタント。吉野家 常務取締役。

富山 それは20年後には間違いなく起きているでしょうね。ものを買うという行為も極端に減ると思います。特に「ケ(日常)」について、買うという行為がなくなると思います。

伊東 そうですね。つまらないけど、しなくてはいけないことを簡便化するためにテクノロジーを使って、人は楽しいことに時間やお金を使う時代が来ると思います。そうなると、人はエンターテインメント性を求めるようになるから「ハレ(非日常)」の買い物が増えるでしょう。

富山 私もあらゆることがエンターテインメント化すると思っています。料理や洗濯など、これまではやらざるを得ないことだったのが、好きな人だけがする世界に変わるのではないでしょうか。

先ほど、お話した「ライフコンシェルジュ構想」も、あの人がいるから店舗に行く、好きなコミュニティがある店舗に行くとか、といった時代を見据えてのことです。
富山 浩樹 氏
サツドラホールディングス
代表取締役社長

1976年札幌生まれ。札幌の大学を卒業後、日用品卸商社に入社。福島や東京での勤務を経て2007年サッポロドラッグストアーに入社。2015年5月に社長就任。2016年春からは新「サツドラ」ブランドの推進をスタートし、インバウンドにも力を入れる。また2016年8月にはサツドラホールディングスを設立し代表取締役社長に就任。

伊東 20年後に備えて、全ての店舗は来店動機をいまと違うものに設定しないと、生き残れませんね。吉野家も「うまい、安い、早い」だけでは、生き残れないかもしれせん。「うまい」は、人間の欲求に基づいているので生き残れると思うけど、「早い」を求めて店舗に来るかはわかりません。

ただし、エンターテインメント化という観点では、私たちにはまだまだ可能性があって、生き残る方法はいくらでもあると思っています。吉野家は「クッキング&コンポート」という業態をつくったのですが、これは調理とお客さまが快適に料理を楽しむことに優先順位を置いたテンプレートです。旧来の吉野家は、「食べ終わったら出て行け」というオーラが出ていたんですよ。

富山 ドラッグストアの場合は、パーソナルケアを扱っているので、その活路もあると思っています。アメリカのドラッグストアの場合、売上の7割は調剤ですし、そこにヒントがありそうです。
 
北海道開催が決定!
元P&G バイスプレジデント 伊東正明氏のマーケティング研修「伊東塾」

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