森永乳業ユニーク企画「武勇伝聞いてくれる会議」隠れたニーズの発見こそ買ってもらう近道だ

 

自慢話がテーマ、森永乳業のWebキャンペーンに注目

「俺の、俺の、俺の話を聞け～～～～♪ 5分だけでもいい～～♪」

 クレイジーケンバンドの名曲「タイガー＆ドラゴン」にある有名なフレーズです。この歌を耳にするたびに、人は（特にオジサンは）、そんなにも自分の話を聞いて欲しくて、そして、そんなにも自分の話を聞いてもらえないものなのか？と感慨深くなります。

 筆者は、大学教員であり、研修講師や企業アドバイザーも務めていることから、少なくても表面的には、自分の話を聞いてもらえます。聞いてもらえないようだと、商売になりません。

 しかし、一般的なオジサンは、なかなか聞いてもらえないのかもしれません。特に、ビールなどを飲むほどに話したくなる武勇伝や自慢話は、ほとんど聞いてもらえないのが現状でしょう。聞いて欲しい。でも、聞いてもらえない。話したい。でも、話す場がない。そんなターゲットの隠れたニーズに応える施策が、森永乳業のおつまみ「魚Chee（ウオ チー）」によるWebキャンペーン「武勇伝聞いてくれる会議」です。

 このWebサイトに行ってみると、「普段は聞いてもらえないあなたの武勇伝や自慢話を、永遠に語ることができる」とうたわれています。そのうえで、「気が向いたら・・・大ヒット中の魚Chee（ウオチー）をつまんで、ビールを飲みながらどうぞ」と、相当に控えめに商品のことに触れています。
  
 武勇伝を聞いてくれるのは、マジですか！が口癖の「マジですか池田」（若い女性）、ヨイショならお任せの「ヨイショ鬼・洋平」（若い男性）、すべてを包み込む包容力の「菩薩のさとこ」（妙齢の女性）など8人のメンバー。その中から3人を選んで入室し、自慢話を話すと、3人3様の仕方で（録画ですが）、話を盛り上げる相槌を打ってくれる、という内容になっています。

 いやぁ、まぁ、面白い！ この商品、発売からわずか1カ月で、発売前の計画に比べて240％という大ヒット商品になっていると言います。